後発医薬品のある長期収載品の選定療養費、患者の負担割合を2分の1以上へ。4分の3以上や1分の1ということも視野に
令和7年12月17日、第636回中央社会保険医療協議会 総会が開催されている。令和8年度診療報酬改定に関連する議論としては、「長期収載品の選定療養」が取り上げられている。
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長期収載品の選定療養費、患者が負担した金額は、9割が1,000円未満
第202回社会保障審議会医療保険部会にて、後発医薬品のある長期収載品の選定療養費について、患者の自己負担割合を引き上げる考えが厚生労働省から示されていた。
参照:第202回社会保障審議会医療保険部会で、後発医薬品のある長期収載品の選定療養費に関して、患者負担割合を1/2・3/4・1/1に引き上げることが論点に挙げられています。
結論から申し上げると、今回の議論で少なくとも2分の1以上に引き上げられる方針は明らかになったと考えられる。ということは、4分の3、1分の1ということも可能性としてあり得る、ということだ。
実際に、選定療養の対象となったレセプトデータから、患者負担した金額のほとんどが1,000円未満であり、平均で136.2円であったことが示された。但し、長期処方の患者の場合は薬剤の量が多くなり、負担も当然重くなる。
令和8年度薬価の本改定では、長期収載品の引下げがさらに加速される予定となっており、後発医薬品との価格差はさらに小さくなっていくことも考えられることから、自己負担割合を引き上げても、現状を鑑みると患者の負担は今後もそれほど大きくならないようにも見える。こうした観点からの自己負担の引上げの方向性が示されているといえる。
その一方で個人的に気になったのは、バイオ後続品のある先行バイオ医薬品については特に突っ込んだ言及が見られなかったところだ。バイオ後続品については、院外処方も増えていくことから、一般名処方の対象に加えることや薬局における説明・切替えに対する評価を新設する見通しとなっている。
参照:後発医薬品関連の加算、使用促進から安定供給・保管管理を目的とした評価として再構築へ。慢性心不全の横の連携の評価を新設の可能性も
今後の議論を注目したい。

