新型コロナ・インフルエンザの同時流行に備えるための取組を確認~あくまでも流行時・医療逼迫時の対応として~

10/20/2022

ニュース解説

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南半球のオーストラリアや東アジアの疫学情報から、この冬にコロナ・インフルの同時流行が生じる可能性が高いといわれている。特にインフルエンザの流行の先行指標ともされるオーストラリアにおいては、流行が2カ月前倒しで生じていることに警戒が必要だ。

令和4年10月18日、厚生労働省にて「第2回新型コロナ・インフル同時流行対策タスクフォース」が開催され、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備えた対応について、感染状況に応じた対応を広く呼び掛けることが決まった。その具体的な対応とは、新型コロナとインフルのワクチンについて接種対象者への接種を推進することと、外来受診・療養の流れを明確にすること。


外来受診・療養については、重症化リスクの高いとされる小学生以下の子供、妊婦、基礎新患のある方、高齢者が対象となるフローと重症化リスクが低い若い方のフローの2パターンがある。同時流行の兆しが出てきた段階で呼びかけるとのことで、現状のフローではないことに注意が必要だ。


重症化リスクが高いとされるパターンでは、速やかな受診が推奨されている。受診先は、発熱外来のある医療機関、かかりつけ医、地域外来・検査センター。なお、ここでいうかかりつけ医とは、特段の定義はないようで、日常的に利用している医療機関のようだ。


一方で重症化リスクが低い若い方のパターンでは、新型コロナの検査キットで自己検査をして、その結果に応じて対応が異なる。陰性となれば、電話もしくはオンライン診療、またはかかりつけ医への受診となる。陽性となった場合は、健康フォローアップセンターへ。なお、自己検査をしなくとも、症状が重く感じたり受診を希望する場合は発熱外来やかかりつけ医への受診を勧めている。

ところで、電話やオンライン診療でインフルエンザと診断された場合については、治療薬を処方し、自宅療養となっているが、これは検査を行わないものの、当該地域の感染状況や患者の症状によって医師が判断して、ということになる。繰り返しお伝えするが、この対応はあくまでも同時流行や医療逼迫が起きた段階での対応であることに注意したい。平時での対応ではない。基本は対面受診である。

当日は日本感染症学会から新型コロナ及びインフルエンザを想定した外来診療検査のフローチャートが資料として提示されているので、併せて紹介したい。


新型コロナ・インフルエンザ以外にも扁桃腺炎や肺炎などの発熱をともなう疾患もある。例えば、高齢者の肺炎であれば、病院からの退院時やインフルエンザワクチン接種時などの機会を利用して肺炎球菌ワクチンの有無を確認するために診療記録等にチェックリストを備えて、確認をするようにすることで予防に努めることもできる。医療逼迫が起きることを防ぐ意味でも、今だからできる予防的取り組みを徹底しておきたい。

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