電子処方箋のモデル事業、多数の重複投薬を検知

1/17/2023

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令和5年1月12日、第2回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会が開かれた。その中で、薬機法改正関係資料の中で、令和4年10月から全国4か所で実施されている電子処方箋モデル事業の運用状況に関する報告が掲載されている。実際の電子処方箋による処方箋登録件数及び調剤結果登録件数の多さもさることながら、重複投薬等のチェック実施の件数及び実際に検知された件数の多さ(医療機関・104,105件チェックを実施し、3,812件の重複投薬等を検知。薬局・51,707件チェックを実施し、4,337件の重複投薬等を検知)がひときわ目を引く結果となっている。




電子処方箋の本格運用は令和5年1月26日からを予定しているところ。この結果からは、重複投薬・多剤投与に関する大きな貢献が期待できる。ただその一方で、レセコンと薬歴管理が別系統となっている場合は電子処方箋に対応できないケースもあるなど電子処方箋に対応したレセコンの準備などまだ追いついていないとも聞かれる。また、電子処方箋の利用にあたって、医療機関は紙の引換券を発行するのだが、従来の紙の処方箋を渡すというレギュレーションとの違いがあまりない(もちろん、引換券と処方箋では記載されている情報など大きな違いはある)ことも今後の普及促進にあたってはポイントになってくるところかもしれない。

電子処方箋の推進でも、薬局が門前から地域へ、という流れはまだ時間はかかるだろうと思われる。しかしながら、重複投薬・多剤投与の処方段階での防止、薬局での再チェックができることは大きなメリットであると共に、特に薬局においては重複投薬の確認の徹底を通じた対人業務強化の糸口につなげ、数ある薬局の中から、選ばれる薬局になっていきたいところだ。データは蓄積されていくことで、分析ができ、傾向もつかめ、患者の利益の最大化を実現できる。何事もスタートの段階では初めてのことなので混乱はあるもの。とにかくはやくはじめ、早くなれることで、他に圧倒的に差をつける優位性を創ることができる。地域の限られた住民にいち早くアピールし、認知度を高めておくことが選ばれ続けることとなる。

また、地域住民に対する電子処方箋の周知も重要だ。マイナ保険証に関する診療報酬の特例も始まることから、医療機関・薬局側からも積極的なPRが必要だろう。また、オンライン資格確認及び電子処方箋対応施設についてはWeb上でも公表されることとなる。令和6年4月には医療機能情報提供制度(医療情報ネット)でも掲載される予定だ(参照:公的統計、オープン情報の活用③ 医療情報ネット)。いずれは、電子処方箋もオンライン資格確認と同様に診療報酬の加算となると共に、電子処方箋を利用する患者の方が負担が軽くなる、といった診療報酬となることはこれまでの特例措置にいたる一連の経緯から想像できる(参照:令和5年4月からの診療報酬上の特例措置の確認)。


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