地域医療構想/地域包括ケアシステムと改正空家対策特別措置法

2/06/2023

ニュース解説 地域医療構想 地域包括ケアシステム

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 人口減少社会に突入している日本において、医療業界では医療計画・地域医療構想を軸に環境整備が行われているが、病床削減に伴い、今後増えてくる在宅医療の進展についても考えていくと住環境や施設整備なども注視しておく必要がある。住環境について令和5年度通常国会で重要な法改正が行われる予定だ。「空家対策特別措置法」の改正がそれだ。

空家対策特別措置法」とは2015年に全面施行されているもので、空家の定義を明確にするとともに、倒壊の恐れや衛生上有害となる空家などを特定空家として所有者に修繕や解体の勧告や税制の優遇措置を解除できるようにしたもの。ここでキーワードとなるのが空家に関する税制優遇だ。住宅用地としておくことで固定資産税が1/6に減額されるというのがそれだ。建物を解体し、更地にすることで住宅用地とみなされないことや、解体費等を考えると、そのまま空家にしておいた方がメリットがある、という方も多く、そのまま放置になっているということだ。



こうした現状に対して、所管の国土交通省では自治体と連携をするなどして様々な対応をこれまでもおこなってきている。

今国会では、この特別措置法をさらに活用していくため、以下のような見直しが検討されている。


・管理不全空家を新たに設ける

 詳細な基準などは検討していくことになるが、草木が茂っていたり、窓ガラスや戸が破損しているなどの空家について、行政から特定空家と同様に韓国、税制の優遇措置解除ができるようにする。


・空家等管理活用支援法人(仮称)の指定及び助言制度を設ける

 国土交通省では、空き家に関する相談にワンストップで対応できる相談窓口等を整備するための人材の育成や多様な専門家等による連携体制を構築する取組、空き家の発生抑制、利活用及び除却等の各段階における全国に共通する課題の解決を図るモデル的な取組について支援を行ってきているが、こうした取組を行う事業者を市区町村が「空家等管理活用支援法人(仮称)」として指定し、空家の所有者が相談しやすい環境を整備するもの。


地域医療構想の推進は、在宅/施設医療・在宅/施設介護の推進ともなるので、その環境整備は重要になる。特に最近の診療報酬の傾向をみると、緩和ケア病棟では平均在院日数と在宅復帰率の規定と共に外来・在宅へのスムースな移行も求められるなど、ある程度規模のある病院や専門特化した医療機能においては、在宅などを自院の病床と考えた取組が必要になってきていることに注目しておきたい。地域のかかりつけ医との連携の強化もさることながら、今後増えてくるであろう空家を有効活用していくことも検討したい。ナーシングホームのような施設として利用、診療材料等の医療材料を中心とした物流。共同保管庫としての利用(小規模なSPD)なども考えられる。また、緊急・災害時のシェルターとしての利用なども検討できるのではないだろうか。ただ、医療機関単独できるものではなく、自治体や新たな「空家等管理活用支援法人(仮称)」との連携が必須となる。地域医療構想調整会議の場などを活用した働きかけなども視野に入れておきたい。

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