令和7年4月9日、第606回 中央社会保険医療協議会総会が開催され、令和8年度診療報酬改定に向けたスケジュール案が示された。6-8月までを第一ラウンド、9月以降の各論の議論を第二ラウンドとして進めていく。




 なお、総会と同日に令和6年度診療報酬改定結果検証部会が開催され、精神医療・長期処方及びリフィル処方箋・後発医薬品の使用促進に関する報告が行われている。


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 本日の総会ではDPCからの退出する病院(7施設)についても報告された。地域包括医療病棟・地域包括ケア病棟への転換、1月当たりの(データ/病床)比の基準を満たすことができなかった、などが理由だ。




 DPCについては、今後も高度急性期向けの内容へと向かい、基準を満たすことが難しい病院は需要が高まる高齢者救急を主な目的とする地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟への転換を促されていく方向になると考えられる。


参照:地域包括医療病棟への転換、連携先となる介護老人保健施設・ナーシングホームの現状から考えるnext地域医療構想への対応


参照:新たな地域医療構想での病床機能報告(回復期の定義の見直し)と在宅を踏まえた新たな構想区域のイメージが示される


 ただ、地域包括医療病棟に求められる要件のハードルは高い。いつまでも要件を満たし続けることができるか、地域の現状を把握しつつ、場合によっては、要件を満たせなくなることを見据えた次の展開(地域一般入院料や地域包括ケア病棟など)も準備しておくことが必要になるだろう。

 今年度から施行されているかかりつけ医機能報告制度(報告は令和8年1-3月)、令和9年度からの新たな地域医療構想のはじまり、その一方で経営悪化が伝えられる厳しい環境、市販類似品などを含めた選定療養の拡大など、令和8年度診療報酬改定がどういった方向性を見せるのか、注目が集まる。