令和4年度診療報酬改定の影響に関するレポートが公表 その② ~地域包括ケア病棟の今後、リフィル処方箋の取組など~

8/09/2022

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 独立行政法人福祉医療機構から、令和4年7月26日に公表された診療報酬改定の影響等に関するアンケート調査結果(参照:令和4年度診療報酬改定の影響に関するレポートが公表 ~本格的な影響は令和4年10月以降から~)の続きとして、回復期・働き方改革・その他についてが令和4年8月5日に公表されている。その他にはリフィル処方箋、紹介受診重点医療機関についての意向が含まれている。前回もお伝えした通りで、COVID-19感染拡大の影響もあって、診療報酬改定の影響を見るにはまだ時期尚早といった結果となっているが、今回の改定を踏まえた今後の方針については注目したい。そうした視点で、気になる調査結果を見ていきたい。


地域包括ケア病棟入院基本料について、経過措置終了後の注意点について。200床未満病院では在宅復帰率、200床以上病院では自宅等から入院割合を気にしていることがわかる。ただ、多くの病院では今回の見直しについてはあまり大きな影響はないと捉えていることもわかる。地域包括ケア病棟とは、医療機能を高めた老健に近いと感じることがある。老健では、退院後もデイケアや訪問リハを継続して行うことが多いが、地域包括ケア病棟においても、地域包括診療料や訪問診療・訪問看護などを合わせて行うことが期待されている内容となっている。

参照

地域の共有財産へ、外来・病棟の一元管理が鍵となる地域包括ケア病棟


同じ回復期である回復期リハビリテーション病棟は理学療法士などを手厚く配置した専門的で急性期により近いものとすると、地域包括ケア病棟とは看護師を中心にした生活リハビリを提供する在宅により近いものと回復期も分けて考えることができる。



200床未満の病院の地域包括ケア病棟入院料では救急に対する取組が必須となった。その要件を満たしていない病院の動向が気になっていたが、他の入院基本料に変更するという施設が今回の調査で2軒あった。それぞれ「障害者施設等入院基本料」と「療養病床での地域包括ケア病床」というもの。「障害者施設等入院基本料」は今回の改定で、脳卒中患者に限定してだが、療養病棟入院基本料に合わせる形で包括評価となったところ。また「療養病床での地域包括ケア病床」は自宅等からの受入れ割合等に関する新たな基準が設定されている。


200床以上病院の地域包括ケア病棟入院料では自宅等からの受入れや在宅医療については満たせている病院が多いが、満たせていない病院もある。その中で別の届出を選択する病院も2軒確認されており、急性期一般入院基本料の4と6とのことだ。院内転棟などの病棟マネジメントを主な目的として導入されていたのかもしれないが、今回改定による見直しは、いかに院外との連携強化がポイントだ。


自宅や介護保険施設などからの受入れ、そして治療方針などの説明とその意思決定を支援することを評価する「在宅患者支援病床初期加算」。地域包括ケア病棟入院料、療養病棟入院基本料で算定できる。人生会議(参照:ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とLW(リビング・ウイル))を評価する性格を持ち、前回改定から評価が引き上げられている。今回の調査では、自宅等からの受入れを強化するための取組についても記載がある。糖尿病教育入院などの直接入院を増やすなど。
地域包括ケア病棟にはレスパイト入院の機能も期待され、抗悪性腫瘍剤やダルベポエチン・エリスロポエチン・HIF-PH阻害薬(人工腎臓又は腹膜灌流を受けている患者のうち腎性貧血状態にあるもの限る)等、疼痛コントロールのための医療用麻薬は出来高算定となっている。地域の開業医や急性期病院と連携して、一時的な入院や緊急時対応として常にバックアップすることを連携しておくことも検討したい。


今回の改定でも注目度の高いリフィル処方箋について、実施している病院が約15%あった。病院としての方針というよりも、医師個人の判断で決まっている様子。リフィル処方箋については、受診回数の減少に伴う収入減を嫌気しているびょういんがまだ多いのがわかる。



そして、これから始まる外来機能報告に基づき決まる紹介受診重点医療機関に対する考えも明らかになっている。一般的に言えることとしては、専門外来等を行っている病院や高度急性期を主力とする病院がその意向を持っているとされている。今回の調査では、どういった種別と規模の病院が希望しているかは読み解けなかったが、希望している病院のその理由を見ると、プラスの影響とマイナスの影響、拮抗している印象だ。

診療報酬改定については、9月末での経過措置の終了、そして10月からの看護職処遇改善に関する評価の新設などを控えていることをを改めて確認しておこう。

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