説得ではなく説明を。かかりつけ医に求められる対話の時間創出

4/22/2022

r4診療報酬 ニュース解説 外来診療 経営 薬局

t f B! P L

 かかりつけ医に関する制度化の議論が進んでいる。岸田総理の発言もあったが、日本医師会からも4月最終週にその見解を公表することが明らかにされた。

「かかりつけ医」機能、日医が来週に見解公表

現状では、かかりつけ医というと、診療報酬上のかかりつけ医とオンライン診療の指針でのかかりつけ医、そしてこれから議論されるかかりつけ医の3種がある(かかりつけ医に3つの定義。診療報酬での評価は?)。特に診療報酬上におけるかかりつけ医である「機能強化加算」の届出のある医療機関については、今回からは要件が見直され、ややハードルが上がった。その見直しからわかるのは、往診の機能と実績がなければならないということ。

また、外来のかかりつけ医ともいわれ大きな期待が寄せられる地域包括診療料/地域包括診療加算においては、対象疾患に慢性心不全と慢性腎臓病が追加されるなど、対象となる患者が拡充され、より重症化予防の実行力を高めるとともに、診療報酬上のメリットを高めることとなった。
前回改定では時間外対応加算3での算定も可能となり、複数の医療機関と連携して対応していく、まさに地域でのチームを作り、かかりつけ医がそのリーダーとなる内容になっている。今回の診療報改定でも在宅療養移行加算という往診に関する地域でのチームが評価されるようになり、院内だけではなく、地域でのチーム医療がキーワードになってきているのがわかる。ただ、改めて確認だが、診療報酬上で評価されるということは、患者の負担が上がることであり、その上がった負担分のメリットを提供しないといけないということだ。そのメリットとしては、いろんなものがあるが、その一つとして重要なものが患者のための対話の時間を設ける事だといえる。例えば以下のような取組みなどよく見かける。

・朝07:00から診療を開始し、出社前であったり、混まない時間を設けて話す時間を設ける
・毎月任意の日時を設け、話す時間を決める

令和4年度診療報酬改定から導入されたリフィル処方箋の影響で、患者からの問い合わせも一定程度あると聞く。確かにルールとしては可能だが、医師が可能と判断した場合のこと。患者の理解を得るためにも、説明を尽くす、対話をする時間を創ることがこれからは診療の一つであるとも言える。対話場面では、特に悪い情報を伝えなければならないこともある。事実を、時系列で、理解度を確認しながら順を追って説明していくことが重要だ。何よりも説明であって、説得にならないように注意したい。

基本的にかかりつけ医の対象となる患者は生活習慣病を有する患者であるため、治療というよりもよい習慣作り(生活、食事、確実な服薬)と副作用発生時への早期対応が重要になる。健康寿命を3年延伸する、というのが国の目標でもある。言い換えれば、生活習慣病の重症化予防であり、現状維持を3年は続ける、ということともいえ、それがかかりつけ医の成果指標ともいえる。

本日の社会保障関連ニュース

本日の病院関連ニュース

本日の診療所関連ニュース

本日の調剤関連ニュース

ブログ アーカイブ

お問い合わせ

名前

メール *

メッセージ *

QooQ