地域医療の再編を巡る話題(地域医療構想と地域医療連携推進法人)

4/05/2022

ニュース解説 地域医療構想 地域包括ケアシステム

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 2015年を基点として、2025年を当面のゴールとする地域医療構想。わかりやすく言えば、地域の実状に合わせて病床・病棟単位で医療提供体制を整備、調整するものといえる。あくまでも、病床・病棟と患者受け入れのキャパシティを表すもので、この政策に働き方改革と地域医療の偏在対策が加わることで、地域医療における生産性向上と診療密度の向上が実現できる、すなわち医療の三位一体改革がそれだ。地域医療構想は、その三位一体改革の旗頭ともいえるもの。


その地域医療構想の当面のゴールが迫る中、診療報酬改定における重症度、医療・看護必要度の見直しを中心とした急性期入院医療の在り方の見直しを通じて病床転換や削減を促したり、地域での話し合いを通じた役割分担や地域医療連携推進法人の創設に向けた取組が進むものの、そう簡単ではない。地域住民との十分な対話が必要なこと、そして地方議員等の選挙などのイベントが間接的に影響を与えることもある。


そうした地域医療構想・地域医療を巡っては、地方都市では規模が大きく地域の基幹病院となる公立病院(自治体立病院)と公的医療機関(国立病院機構や日本赤十字、済生会など)の動向がポイントとなる。救急搬送等からの患者の流れの起点となり、近隣の医療機関に影響を与えるからだ。例えば、基幹病院が急性期だけではなく回復期まで担うこととなると、近隣の回復期の医療機関に行く(転院、二次救急なども)患者が減ることになり、経営に影響を与えることとなる。また、患者によっては医療機関へのアクセスが悪くなるという笛利益も出かねない。今週に入ってからもいくつかの話題が出ている。



人口減少が進む地域においては、緩やかなダウンサイジングは避けられない。ただし、急激なダウンサイジングは地域住民に不安を与えることとなる。だからこそ、地域住民との対話が必要であり、地域を知り尽くした医療機関・医療従事者自らが意思決定していくことが大切だと感じている。地域医療連携推進法人という選択肢はその意思を表明したものだといえ、地域医療構想を実現するための手段の一つといえる。

ある地域医療連携推進法人の理事長とお話をした時に印象的な言葉が今でも残っている。

「地域医療連携推進法人とは、行政などからとやかく言われて地域医療構想に取組むのではなく、地域を熟知した地域医療機関が自ら不安と混乱を地域住民に与えずに、緩やかにダウンサイジングしていくこと決めて取組むということだよ」


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