認定薬局制度がまもなく1年目。新たな機能強化型地域連携薬局についてもこれから議論される。

6/28/2022

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 薬機法改正に伴い、2021年8月よりスタートした「認定薬局制度」。地域包括ケアシステム内での基幹薬局としての役割を期待される「地域連携薬局」とがん等の専門領域に特化した「専門医療機関連携薬局」の2種がそれで、以前からある「健康サポート薬局」は予防的な関わりや疾病管理的な関わりが期待されることもあり「地域連携薬局」の上位的な位置づけにある。




ところで、専門医療機関連携薬局については、「がん等」ということになっている。「癌」と漢字であれば上皮細胞から発生する癌腫を指すことになり、「がん」の場合は癌だけではなく白血病やリンパ腫なども含めた全体的ながんを指すこととなる。

これら認定薬局については以前ご紹介した「医療情報ネット」を使って確認できる(参照:公的統計、オープン情報の活用③ 医療情報ネット)。そして、認定薬局は実績に基づく認定であるため、毎年更新されるもの。この「医療情報ネット」では、年間の処方箋応需枚数や医療機関との連携実績、地域ケア会議への参加回数なども公表されているため、地域医包括ケアシステムへの参加意欲の度合いや意識が数字で把握できる点に注目することで、薬薬連携の可能性を探るきっかけにもしたい(参照:ポリファーマシーに対する啓発活動と診療報酬・調剤報酬についての確認)。

この中で特に注目されるのは地域包括ケアシステムの基幹薬局ともなる「地域連携薬局」だ。よく言われる「かかりつけ薬局・薬剤師」と混同されがちだが、若干異なる。整理すると以下になる。

かかりつけ薬局  → 地域支援体制加算を算定(調剤報酬)
かかりつけ薬剤師 → かかりつけ薬剤師指導料/かかりつけ薬剤師包括管理料(調剤報酬)
地域連携薬局 → 入退院時や在宅医療を行う医療機関の他、他の医療機関等との連携

地域連携薬局は様々な医療機関とのHUBになることが期待されている。地域フォーミュラリの旗振り役として期待される(参照:地域連携薬局を待ち受ける「量質転化の法則」)。

その地域連携薬局について、2022年6月23日に開催された「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」で公表されたとりまとめ資料の中で「地域連携薬局の要件の拡充又は地域連携薬局の発展系(機能強化型)として検討を進める方向とすることが確認された」との文言が記載された。今回の議論は「薬局間連携」の中で出てきたもの。新たな薬局の区分を創設することは避けるという方針の中で、既存の地域連携薬局を有効活用しようという考えだが、もともとは薬局との連携を目的としたものではない。また、薬局は株式会社で経営されているケースが多く、医療機関同士の連携以上に、薬局間の連携は難しく、日用品の販売なども手掛けていることから、ビジネス的な連携になりかねず、患者にとっての利益となるのかわかりにくい。今後の議論は注意深く見ていきたい。

今後、オンライン診療やリフィル処方箋など、非対面診療の機会が増えることで、医師との対面の機会が減る。その一方で、医薬品は必要であることからオンラインも含めた顔を合わせる機会はこれまでと変わらないのが薬局薬剤師だ。今後、医師等に代わって地域の患者の服薬状況の確認。医師との連携、必要に応じた受診勧奨が必要となる。言い換えると、薬局薬剤師が医療機関にとってのお客さんにもなりうる。今後、地域包括ケアシステムにおける薬局に寄せる期待は大きい。地域連携薬局とは、そうした地域の基幹として期待されるとともに、医療機関としても連携の強化が期待されるところだ。

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