迫る建替え、チャンスに変えることができるか? ~患者の自宅を病床と発想転換する~

6/20/2022

r4診療報酬 ニュース解説 地域医療構想 地域包括ケアシステム

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 建替えが迫れる病院に関する話題が伝えられている。

全病院の4分の1で「法定耐用年数」超え 迫られる建て替え(毎日新聞)

建て替え困難な都市部の病院 移転成功へと導いたのは(毎日新聞)

第一次医療計画改正(1985年)で2次医療圏毎に基準病床数(当時は必要病床数と表現。現在の地域医療構想でいう必要病床数との違いに注意)が設定されたのを契機に、駆け込み増床が起きた。病院の法定耐用年数は39年となっており、まもなくその期日を迎えようとしている。ちなみに、1985年から39年後は2024年。地域医療構想の当面のゴールと符合することをここで改めて確認しておきたい。



病院の建替えでは、将来の構想を練ることも大事だが、建替え期間中の対応も重要だ。例えば、患者流出、差額ベットの稼働率低下など起こりうる。
ところで、この建替えについて非常に悩ましいのが第4次医療法改正で一般病床の面積について、患者一人当たり4.3平米から6.4平米以上に、というルールが設けられ、建替えまでは経過措置として4.3平米のままでよい、となったことだ。診療報酬の中でも地域包括ケア病棟において患者一人当たり6.4平米以上の方が点数が高くなるなどでも差が出てきている。この6.4平米以上への見直しは、病床のダウンサイジングを意味する。地域医療構想の当面のゴールである2024年と法定耐用年数の期限が符合するのは偶然ではない。

そして、こんな話題も伝えられている。



「時々入院、ほぼ在宅」、これは地域包括ケアシステムを表現する言葉としてよく使われている。患者の自宅を病床と考えた病院経営の在り方、とりわけ、地域包括ケア病床を有する医療機関に求められて言えることがよくわかる。令和4年度診療報酬改定での地域包括ケア病床に対する様々な減算規定の導入は、この法定耐用年数の期限とセットで対応を考えていく必要がある。建替えはチャンスでもあるが、後戻りもできないことを改めて理解して、地域医療にどう貢献するかという観点をもって計画を作っていく必要がある。

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