AIを利用した画像診断の評価を新設、価格交渉代行者への依頼状況、診断群分類の手術等の整理・分岐の新設など、告示で気になった点を確認

3/07/2024

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 令和6年3月5日、令和6年度診療報酬改定に関する告示が行われ、様々な資料が公表されている。詳細については、これから時間をかけて確認し、詳細を解説していく予定だが、ざっと見て、気になったポイントここでは紹介したい。


生活習慣病管理料Ⅱについて、療養計画の作成・患者の署名が必要


負担に感じるかもしれないが、生活習慣病の重症化予防には、患者本人の決意・努力が必要。署名はそうした意味では必要なことかもしれない。個人的には、軽症患者・病状が安定しる患者に対しては長期処方・リフィル処方箋を積極的に出すことで、重症患者(生活習慣病管理料Ⅰや生活習慣病管理料ⅠorⅡ+慢性腎臓病対策予防指導管理料など)の時間を創り出し、対応していくというのが選択肢の一つになると思う。今回の特定疾患療養管理料と生活習慣病管理料の見直しで感じるのは、軽症者のために割いていた時間をかき集めて、重症者のための時間を創り出し、収入を維持・拡大につなげる、ということのように感じた(参照:連携に関する診療報酬項目・リフィル処方箋で医療依存度の高い患者と医療従事者本人のための時間を創出する)。


DPCの診断群分類の見直しで、高額薬剤等きめ細やかに対応できそう


今回、DPCについては退出ルールに向けた新たな要件や、効率性係数の見直しなど注目すべき点が多くある。中でも、診断群分類の手術や手術処置等の設定はこれからしっかり確認しておきたい。ある医薬品で高額薬剤判定を受けているものの、分岐が異なることで包括の範囲に含まれることとなり、使用するには医療機関が大きな負担を負わなければならない、ということがあった。どうやら、今回の整理と分岐の新設でそうした問題が解消されることになりそうだ。医療機関・患者にとってとてもよいこと。(参照:DPC対象病院の新たな要件(退出ルール)の考え方が示される。そして、新たな点数設定方式の検討へ。


フォーミュラリの文言は見られず


昨年7月にフォーミュラリに関する通知や医療費適正化計画でもフォーミュラリという文言が盛り込まれたことから、病棟薬剤業務実施加算やDPCの情報公開などで何らかの形で取り上げられると思っていたが、大きな空振り。後発医薬品の安定供給の影響もあったのだろうか。


画像診断にAI利用の評価、心大血管リハに肺高血圧症を追加



医療技術評価分科会で取り上げられていたもの(参照:画像診断管理加算にAI利用の加算、在宅心不全患者指導管理料を新設。遠隔モニタリング加算に在宅透析患者管理を追加へ。)。他にも、専門の研修を受けた看護師によるストーマ処置もストーマ合併症加算(65点)として新設など。


価格交渉代行者への依頼について報告を


10-11月の妥結率に関する報告について、流通改善ガイドラインの改定に伴い報告内容も見直し。一際注目を集めるのが、価格交渉代行者への依頼について。今回は特にペナルティはないが、次回以降は、過度な薬価差益を得ている場合などは、減算などのペナルティが予想される。流通改善ガイドラインでは、医療機関・薬局は価格交渉代行者にガイドラインの遵守を注意しないといけない。ただ、確認しておきたいのは薬価差益が悪い、というわけではない。交渉は経営努力でもある。ただ、過度な薬価差益がいけない、ということ。今後、クローバック制の導入も視野に妥当な薬価差に関する調査などおこなわれることになるのではないだろうか(参照:過度な薬価差の偏在是正策の必要性を。今後調査の上、クローバック制を参考に検討へ~医薬品安定供給有識者検討会~)。


以上、ざっと見て気になったポイントを羅列した。今後、詳細にポイントを解説していきたい。

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