連携に関する診療報酬項目・リフィル処方箋で医療依存度の高い患者と医療従事者本人のための時間を創出する

2/21/2024

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 長期処方・リフィル処方箋の推進など、今回の診療報酬改定は医師の判断を原則に軽症者・病状が安定している患者の受診頻度を下げること、その一方で慢性腎臓病の重要化リスクの高い患者への積極的な早期介入をすること、といった外来における役割分担・機能分化が強力に推進される内容となっている。こうした外来における役割分担・機能分化を推進していくにあたって、一般病床200床以上の急性期病院と一般病床200床未満の病院・診療所で診療報酬をベースにどういった対応が求められ、評価されるかを考えてみる。


一般病床200床以上の急性期病院

規模の大きな急性期病院においては、医師の負担医軽減・働き方改革が重要だ。そこで、リフィル処方箋の活用がポイントになる。

軽症者・病状が安定している患者の受診頻度を減らすことで、手術や専門診療などより医療依存度と診療単価の高い患者の対応の時間を創出することができ、経営としても効率性を高めることになる。ただし、受診頻度下げることで、患者と会う機会が減ることになり、場合によっては重症化のリスクも高まることもありうる。そこで、薬局薬剤師による服薬フォローが重要になる。調剤報酬においても服薬情報等提供料2として評価され、対人業務の推進となる。

単に受診頻度を見直すだけではなく、フォロー体制を薬局としっかり連携し、時には受診勧奨をお願いするなどの関係構築が必要だ。そのためにも、自院に関する診療報酬だけではなく、調剤報酬や介護報酬などでも医療にかかわる項目についての理解を深めておきたい。

また、こうした連携体制を構築していくには、双方、どちらからか声をかけていくことが必要だ。退院時薬剤情報管理指導料に退院時薬剤情報連携加算という評価がある。これは入院中の内服薬の変更などを文書(薬剤管理サマリー)で薬局に連携するもの。こうした情報発信を契機に、関係構築を進めていくことが病院側には求められる。なお、服薬情報等提供料3では、予定入院の患者の持参薬の確認を薬局が行うことで評価される。医療機関としては、入院前からの休薬の調整・管理から持参薬の確認といった労力の負担を軽減でき、他の業務のための時間を創出することもできる。連携とは、主たる業務のための時間を創出するためのものともいえる。



一般病床200床未満の病院、診療所

特定疾患療養管理料で生活習慣病患者を診ていた場合、多くは生活習慣病管理料Ⅱへといこうしていくことになるだろう。管理料Ⅰとは異なり、療養計画書の作成・患者の署名は不要となると考えられ、負担はやや軽くなる。一般病床200床未満の病院の場合を見てみると、生活習慣病管理料Ⅱの算定に変更することは、診療報酬点数ではプラスになる。おそらく、検査体制が整っており、多職種連携が望ましいとされることからだろう。また、慢性腎臓病対策への早期介入ができやすいともいえる。重症化リスクの高い生活習慣病の管理は一般病床200床未満の病院で行っていくことを促しているようにも感じる。一方で、診療所の場合は特定疾患療養管理料に移行することで特疾患処方管理加算も生活習慣病は除外されることから、対面診療の場合の点数は引き下げとなる。しかし、オンライン診療の場合は点数はプラスになる。そこで、初回は対面診療で検査等もしっかり行い、2回目以降はオンライン診療を利用していく、ということが経営上では効率的になる。その場合、長期処方・リフィル処方箋による対応が多くなると考えられる。先のご紹介したように、薬局薬剤師との連携が重要になってくる。比較的病状が安定している生活習慣病の管理は診療所で行っていくことを促しているようにも感じる。


他にも、情報通信機器を利用した診療支援についても利便性を高めるられるように見直し・新設されている。


負担軽減・働き方改革は、時間を創出することであり、医療依存度の高い患者のための時間と医療従事者本人の必要な休養を捻出するもので、絶えず追及していくことが求められる。

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