多様性のコミュニケーション② ~ベットの上の世界観と入院基本料に込められたメッセージ~

7/05/2022

r4診療報酬 患者 急性期 経営 入院医療 慢性期

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 少し誇張した表現だが、その病室には鏡がはりめぐらされていた。ベットの足元に、天井にも。その病室には、神経筋疾患で気管切開をした患者が長期入院中。ベットの足元の鏡は誰が来たかを確認するため。天井の鏡は、運ばれた食事の彩(いろどり)を見るため。

ベットに寝たまま、一日を過ごしてみるとわかるが、視界は限られる。長期入院を余儀なくされる方にとっての世界のすべて。

食事介助を受けてわかるのは、何を食べているのかがわからないこと。スプーンで「何か」が運ばれてくるのはわかるが、それが何かはわからないこともある。また、「何か」を教えてもらっても、感動は薄い。食事は、味だけではなく、彩やにおいもひっくるめて、食事だということに気づかされる。足元の鏡、天井の鏡は世界を広げると共に、ベット上での生活に変化を与えてくれる工夫だ。

そしてもう一つ気づくことがある。体形や体重によって感じ方は異なるが、ベットは硬く、あつい(熱いとも暑いとも感じたので、あえて仮名にしています)ということ。ところで、このベットについて、近年は褥瘡対策が診療報酬においても評価されるようになり、褥瘡はできやすい人とできにくい人がいることがわかってきたことや体圧分散マットレスの進化など促進させ、療養環境もかわってきている。医療とテクノロジーが融合した成功例の一つだと感じる。


2000年を契機に入院に関する診療報酬は大きく転換した。もともとは、寝具設備等を評価する入院環境料、看護師の配置を評価する看護料、そして医学管理料の3つを入院基本料として一つの総合評価としてまとめられた。



そこから2年さかのぼると日本版DRG/PPSが施行されている。そして2003年には現在のDPC/PDPSが開始されている。この2000年が診療報酬の包括評価拡充の口火を切り、看護必要度などの導入も行われ、実績に基づいた評価、医療費抑制の流れが作られた。

入院基本料とは、その歴史を振り返り、現在に至るまでの経緯がわかれば、その包括された中身を紐解き、どういったメッセージがあるかがわかる。改めて、入院基本料に込められているメッセージについて確認し、患者にとっての入院環境について考えてみたい。

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