令和8年度診療報酬改定では、入院から外来に移行できる手術・検査・治療等を外来で評価するべく、外来腫瘍化学療法診療料の拡充(抗悪性腫瘍剤の皮下注射も対象になど)、短期滞在手術等基本料3の見直し(DPC対象病院でも算定するなど算定ルールの見直しと評価の引き下げ、入院手術対応加算の新設など)が行われている。特に短期滞在手術等基本料1の外来移行は積極的に進められ、診療所におけるポリープ切除や白内障手術等の件数が大きく増えた。そうした状況を踏まえ、医療費適正化の観点から短期滞在手術等基本料1については、主として入院で実施されている手術以外の場合に関する診療報酬点数を約半分に引き下げるという見直しが行われた。短期滞在手術等基本料1を届出る消化器内科や眼科を標榜する診療所にとっては大きな影響が考えられる。




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短期滞在手術基本料1を届出る診療所は増加基調を継続

 病院・診療所を含めた短期滞在術等基本料1を届出る医療機関は令和8年8月1日時点で6,636施設で、同年5月1日時点と比べると284施設増加している。病院に絞ってみてみると16施設で取り下げが確認できているが、新規で届出する医療機関が5施設上回り554施設、診療所については8施設で取り下げが確認できているが新規で届出する医療機関が279施設上回り6,082施設という状況だ。







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消化器内科・眼科を標榜する診療所の診療報酬改定前後の変化

 消化器内科を標榜する診療所に限定してみると、群馬県で1施設取り下げがあったものの全体では201施設増の2,436施設となっている。コスト高などの影響もあり、コストの見直しなどには限界もある。保険診療への依存度を見直し、患者の健康増進・重症化予防に資する自費診療等を新規事業として企画するなど、事業者として経営を考えていくことの必要性も感じる。




 次に眼科を標榜する診療所についてみてみると、一転して全体的に減少傾向にあることがわかる。本年5月1日時点から全体で38施設減少し2,346施設となっている。




 減少割合で最も多い都道府県は秋田県の▲15.3%(13→11)、次いで岩手県の▲9.5%(21→19)となっている。減少件数では埼玉県と愛知県で▲7施設という状況だ。一方で、群馬県・千葉県・東京都・山梨県・新潟県など7都県では増加している。

 ところで令和8年度診療報酬改定では、生活習慣病管理料において眼科医療機関連携強化加算が新設された。医療情報ネットを活用して、かかりつけ医機能報告医のタブから該当するであろう近隣の医療機関との連携を推進していくことなどで短期滞在手術等基本料1の対象以外の新たな患者の獲得を意識していくことなど意識しておきたい。生活習慣病管理料を算定する医療機関で充実管理加算を算定している場合は、眼科医療機関連携強化加算の算定割合が点数にも影響してくるので連携に対してはウェルカムとなるだろう。


 入院から外来へ移行できる治療等の評価の見直しは今後も推進されていく。また、医療DXの推進で精緻なデータが集約・分析され、精度の高い医療費適正化も同時に進めされていく可能性が、短期滞在手術等基本料1の見直しから感じ取れる。短期滞在手術等基本料1を届出る医療機関だけに言えることではないが、骨太の方針2026にある「攻めの予防医療」を意識して考えると、健診なども含めた住民の健康増進を目的とした自費サービスを事業として位置づけ、保険診療への依存度を見直していくこともこれからは必要になってきていると思える。