令和8年度診療報酬改定は新たな地域医療構想との整合性を図る内容となった。新たな地域医療構想では、外来・在宅、精神も含まれることになっているが、精神領域については1年を超えて入院している退院可能と判断される患者の地域移行の促進が改定の柱の一つとなった。精神を含めた新たな地域医療構想については今年度中に策定ガイドラインが完成し、令和9年10月からは精神病院についても医療機関機能報告が求められる予定だ。


参照:精神医療を含めた地域医療構想策定ガイドラインは今年度末に。精神医療を含めた医療機関機能報告は令和9年10月から


 改めて令和8年度診療報酬改定における精神領域を確認すると、精神科地域密着多機能強化加算や精神病棟看護・多職種協働加算といった退院支援・地域移行への取組を評価する項目が新設されている一方で、その受け皿となり、再入院防止に向けた継続診療の質的向上を図る目的だと考えられるが、通院・在宅精神療法において指定する施設基準に適合しない医療機関の非精神保健指定医による診療の場合は100分の60の点数になることとなった。




 なお今後は精神科の外来においては、精神保健指定医の取得を計画すること、3種類以上の抗うつ薬又は3種類以上の抗精神病薬の投与に気を付けることも合わせて考えておく必要がある。

 令和8年度診療報酬改定で新設された通院・在宅精神療法 注13の届出状況等から現状について確認をしてみた。



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通院・在宅精神療法 注13の届出は1,632施設(令和8年8月1日時点)

 本年8月時点で通院・在宅精神療法 注13の届出は1,632施設あることが確認できている。気になるのは、本年7月1日時点から274施設増加していること。新設した医療機関があったのか、届出忘れ等だろうか。今後も増える可能性もある。
 さらに内訳を確認してみると、病院からの届出は898施設、診療所からの届出は734施設となっている。



 

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精神科を標榜する診療所のパターンごとに注13の届出割合を確認する

 では実際に精神科を標榜する医療機関の中でどれだけの割合で通院・在宅精神療法 注13の届出があるのかを確認してみたい。

 まず、病院・診療所の総数(10,568施設)で通院・在宅精神療法 注13の届出割合を確認してみると、以下のようになる。なお、病院については、総合病院で精神科を標榜する病院もあるなど精神病院のみ医療施設動態調査の結果(令和7年度調査では1,052施設)よりも多くなっていることに注意が必要だ(令和8年9月1日時点の地方厚生局 保険医療機関管内指定状況一覧より集計:2,649施設)。



 次に診療所のみで確認をしてみる。分子は固定(診療所で注13の届出がある734施設)したままで、分母となる診療所について、次の3つのパターンで設定して注13の届出割合を算出してみた。パターンB・Cはの分母となる診療所数は注13の集計をした地方厚生局のデータではないことと、令和6年度時点の情報であることからデータの整合性に齟齬が生じていると考えられる。ゆえに、あくまでも参考値程度としてみていただきたい。



パターンA:精神を含む診療科を有している診療所を分母とした場合(7,919施設)
       通院・在宅精神療法 注13の届出割合 9.3%

パターンB:主たる診療科が精神科を分母とした場合(2,662施設)
       通院・在宅精神療法 注13の届出割合 27.6%(参考値)

パターンC:主たる診療科が精神科と心療内科を分母とした場合(4,166施設)
       通院・在宅精神療法 注13の届出割合 17.6%(参考値)

※パターンAの分母:地方厚生局 保険医療機関管内指定状況一覧より(R8年9月1日時点)
※パターンBの分母:令和6年度医科診療所の主たる診療科別の医療費等の状況より
※パターンCの分母:令和6年度医科診療所の主たる診療科別の医療費等の状況より



 先述したが、7月から9月にかけて注13の届出が増加している。診療所だけでみても114施設増加していることがわかる。今後も推移を注視しておきたい。