長期収載品の処方等に係る選定療養費の費用の計算方法とマスタが公表。公費負担医療の患者も選定療養の対象に

7/13/2024

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 令和6年7月12日、本年10月からの後発医薬品のある一部の長期収載品の選定療養に関する具体的な計算式とマスタ、疑義解釈としての「医療上の必要性」に関する具体的な考え方が「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について」で示された。

実際の費用の計算に用いるマスタ(エクセル版もある)も用意され、具体的な手順が示されている。注意したい点としては、15円以下の薬剤料は1点となるので、薬剤料の点数1点=10円(+消費税)で算出されることだ。



疑義解釈として、今回の運用にあたって気になっていた「医療上の必考え方についても、かなり具体的に示されている。診療ガイドラインとの兼ね合いや難病助成などの公費負担医療の患者のケースなどの扱いも明確にされた。以下に簡潔にまとめる。

・長期収載品と後発医薬品で薬事上承認された効能・効果に差異がある場合

・ 当該患者が後発医薬品を使用した際に、副作用や、他の医薬品との飲み合わせによる相互作用、先発医薬品との間で治療効果に差異があったと医師等が判断する場合

・ 学会が作成しているガイドラインにおいて、長期収載品を使用している患者について後発医薬品へ切り替えないことが推奨されている場合

※上記の3つについては、薬局の場合は疑義照会をしたうえで判断

・ 後発医薬品の剤形では飲みにくい、吸湿性により一包化ができないなど、剤形上の違いがある場合

※上記については、疑義照会せずに薬局で判断。ただし、結果を処方元に報告する


なお、使用感や剤形の好みなどは医療上の必要性には該当(想定)しないとしている。


院内処方についても対象になるが、院内採用品に後発医薬品がない場合の扱いについては、提供することが困難に該当し、保険給付で構わないとされている。ただし、そのあとに続く文章には、後発医薬品も院内処方ができるようにすることが望ましいと記載されている。後 発医薬品の提供できる体制は備えておくことが無難といえる。

なお、退院時処方については入院と同様に扱うことが明確にされた。


公費負担医療の患者についてだが、選定療養の対象となることが明確にされた。それは、自治体独自のこども医療費の患児も同様だ。


制度の開始が近づくにつれ、今後も新たな情報が出てくる。患者の日常生活にも影響する内容であるため、定期的な確認をしておきたい。

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