医療安全対策加算、診療報酬改定後に74件の届出増、そのうち27件は療養病棟。経腸栄養管理加算は27病院増
令和8年7月1日時点の施設基準届出情報を整理している。急性期一般入院料などの主な施設基準の届出状況についてはすでにお伝えしているが、ここでは、個人的に注目した項目として「医療安全対策加算」「経腸栄養管理課加算」「在宅復帰機能強化加算」の改定前後の変化について確認したい。
参照:【2026年9月レポート】急性期一般入院料を929病院が取り下げ。地域包括医療病棟は診療報酬改定後に20病院増加。
医療安全対策加算、大幅な引き上げと医療法施行規則改正もあって、74件増
令和8年4月1日からの医療法施行規則の改正により、すべての病院・有床診療所・助産所に医療安全管理者の配置が義務付けられている。なお、医療法施行規則における医療安全管理者は医療系資格を有している必要はなく必要な研修の受講は必須ではない(受講を推奨)が、令和8年度診療報酬改定以前の医療安全管理加算では医療系資格を有しており、必要な研修を受講していることが求められていた。
参照:医療安全管理者の配置義務化を検討。医療安全地域連携加算を促進するネットワーク構築について議論される。
令和8年度診療報酬改定では、医療法施行規則改正に合わせて医療安全対策加算を見直し、医療安全対策加算そのものの点数を引き上げると共に、医療安全対策加算2において医療系資格を有しないスタッフで一定の要件を満たしていれば算定可能となったところだ。
この医療安全対策加算について、実際に診療報酬改定後にどういった変化があったかを確認すると、74病院届出増(4,258病院→4,332病院)となっていることが分かった。
また私は、診療報酬については項目によってはあえて算定しない、という選択肢を持つことを医療機関の皆様にお伝えしている。特に入院期間が長く、入院初日にしか算定できない項目については、人員と負担を考えて、慎重に対応することをすすめてきた。そう考えると、療養病棟における医療安全対策加算の届出はいつも慎重に考えていた。しかし、令和8年度診療報酬改定からは、加算2において医療系資格を有しない者でも算定できることとなり、点数も倍以上となった。届出を目指す価値はあるといえる。実際、診療報酬改定後の療養病棟に限定した医療安全対策加算の届出状況を確認すると、27病院増加していることが分かる(1,088病院→1,115病院)。医療系資格を有しない場合は1年以上の業務実績が必要となっているため、来年以降になるが届出は増えることが期待される。
医療の高度化、重症度の高い患者の受入れが増えている現状を考えると、安全対策はより一層力を入れていく必要がある。今回の診療報酬改定は、医療法施行規則の改正とも上手く連動して、直接的ケアを行う有資格者の負担軽減を図りながら、安全文化の醸成作りに寄与するものだといえる。
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経腸栄養管理加算は27病院の届出増。割合でみると1.1ポイント増加
中心静脈栄養よりも、積極的に経腸栄養に取組む医療機関を評価できるように経腸栄養管理加算が令和8年度診療報酬改定では見直されたところ。
診療報酬改定後の実際の届出状況を確認してみると、27病院増加していることがわかった(981病院→1,008病院)。なお、療養病棟の届出は診療報酬改定後に4病院減少して、2,711病院(改定前:2,715病院)となっている。療養病棟のある病院全体における経腸栄養管理加算の届出割合でみると、1.1ポイント上昇したことになる(改定前:36.1%→改定後:37.2%)。緩やかに増加している。
合わせて、療養病棟における在宅復帰機能強化加算についても確認してみた。こちらは令和8年度診療報酬改定では大きな見直しはなかったものの、中医協では議論でテーマに上がっていた。令和10年度診療報酬改定に向けて、改めて議論される可能性が高い。死亡退院の割合や在宅訪問の実績などの実績要件など。診療報酬改定前後を確認すると、3病院の減少となっている(742病院→739病院)。ただ、先述の通り療養病棟を届出る病院自体が減少していることを踏まえて確認してみると変化はない(改定前(療養病棟を届出る病院で在宅復帰機能強化加算を届出ている病院の割合):27.3%→改定後:27.3%).
療養病棟においても在宅復帰の機能を強化していくことが診療報酬改定の傾向からもわかる。新たな地域医療構想では、在宅・外来・介護も一緒に考えていくことを考えれば合点がいく傾向だ。在宅復帰というゴールに向けた体制作りを改めて考え、新たな地域医療構想に備える必要がある。