弊社(HCナレッジ合同会社)で毎月集計している施設基準情報より、新たな地域医療構想・地域包括ケアシステムでもポイントとなる届出情報にフォーカスして現況等について毎月ご報告しています。今回は2026年7月時点の主な施設基準情報をお伝えします。



急性期一般入院料1は859病院減少。多くは急性期病院一般入院料へ

 急性期病院一般入院料が新設されたこと、DPCの要件が厳格化されたこともあってか、急性期一般入院料1は大きく減少した。病床規模が大きな病院の多くは急性期病院一般入院料に移行し、DPCの要件を満たすことが困難になった中小規模病院の一部が地域包括医療病棟・地域包括ケア病棟に移行したと見られる。




 なお、急性期病院一般入院料については、6月から7月にかけてA・B共に増加している。当面は、急性期一般入院料1の病院からの急性期病院一般入院料を目指す動きが継続することが考えられる。





 なお、急性期病院B一般入院料は、看護配置10:1となっている。そこで、急性期一般入院料1の病院が10:1に配置基準として、看護・多職種協働加算2を届出る事ができるようになっている。急性期病院B一般入院料を届出る病院で看護・多職種協働加算を届出ている病院を確認すると、殆どの病院が同加算を算定していることがわかる。





参照:急性期一般入院料1から急性期病院B一般入院料への移行は148病院(令和8年6月1日時点)




地域包括医療病棟入院料、改定前後で20病院増。包括期充実体制加算は125病院の届出。

 地域包括医療病棟入院料は診療報酬改定後に20病院の増加となった。先述の通り、DPCの要件の厳格化などが影響して、急性期一般入院料からの移行が多くあったと考えられる。 なお、山口県では地域包括医療病棟入院料の届出は0件が続く。




 なお、令和8年度診療報酬改定では、199床以下病院の地域医包括医療病棟と地域包括ケア病棟に対して、地域医療・介護の後方支援機能を評価する包括期充実体制加算が新設された。いわゆる、レスパイト入院に対する評価でもあるが、下り搬送の受入実績や退院前カンファレンスの実績など地域医療連携に関する実績が求められる。

 包括期充実体制加算自体の届出数は125病院。そのうち、58病院が地域包括医療病棟入院料、67病院が地域包括ケア病棟となっている。








 包括期充実体制加算の届出と合わせて、地域包括診療料の届出も検討しておきたい。地域包括診療料とは、200床未満病院のかかりつけ医機能を評価するもの。地域へより接近していくことで、包括期充実体制加算の件数も伸びることになると考える。


参照:包括期充実体制加算の届出は125病院。58病院は地域包括医療病棟入院料、67病院は地域包括ケア病棟入院料




【お役立ちサービスのご案内】

診療報酬と施設基準の情報を院内で共有するクラウドサービス「ナレティ pro」は、告示・通知・事務連絡の横断検索に、院内の解釈をノートとして紐づけて蓄積できるサービスです。また、施設基準の自己点検・証跡・期限管理・月次実績の基準割れアラートまでを一つの画面で扱うことができます。

以下のバナーから無料トライアルのお申し込みが可能です(通常30日のところ、45日間となります)。


※ ナレティProは弊社が紹介パートナーとして取り扱っているサービスです。




病棟薬剤業務実施加算1、891病院が届出。旧加算1は2,145病院。

 ポリファーマシー対策への取り組み(薬剤総合評価調整加算、退院時薬剤情報管理料)の一定水準の実績があることで、新たな病棟薬剤業務実施加算1が算定できることとなった。非常に高い点数となっている。実際の届け件数は891病院。中小規模病院も少なくない。




 病床規模が大きく病床稼働率が高い病院の場合、退院時薬剤情報管理料の算定は難しくなる。大規模病院においては、入退院支援部門との院内連携体制の構築が重要になる。


参照:新たになった病棟薬剤業務実施加算1の届出は891病院。旧病棟薬剤業務実施加算1は令和8年5月1日時点で2,145病院の届出。多くは加算2を算定




心不全再入院予防継続管理料3の届出、やや低調か

 新設された心不全再入院予防継続管理料は、DPCにおける再転棟のルールの見直しなどへの対応として、病院にはメリットが大きい反面、管理料3の対象となる医療機関にとっては、病院からの紹介患者が増える可能性が高まる一方で、診療報酬ではメリットがそれほど高いとは言えない。そうした事もあってか、管理料1・2の届出数とくらべても管理料3の届出数は低調と言える。






参照:令和8年7月1日時点で心不全再入院予防継続管理料3の届出は846施設。精神科地域密着多機能体制加算の届出は3施設。





精神科地域密着多機能体制加算、3病院の届出

 精神科地域包括ケア病棟の廃止と入れ替わって新設された精神科地域密着多機能体制加算だが、全国で届出は3病院という状況だ。その3病院のうち2病院は過去6ヶ月間に精神科地域包括ケア病棟入院料の届出履歴がある。





 病床削減の補助金、新たな地域医療構想での精神病床の方向性が明確になってくることで今後動きも活発になってくることだろう。


参照:令和8年7月1日時点で心不全再入院予防継続管理料3の届出は846施設。精神科地域密着多機能体制加算の届出は3施設。





特定集中治療室管理料、15病院が取り下げて2病院が新規届出

 特定集中治療室管理料とハイケユニット入院料管理料について、令和8年度診療報酬改定では、新たに救急搬送受入件数や全身麻酔手術件数の実績が施設基準に盛り込まれることとなった。その影響なのかはわからないが、特定集中治療室管理料の届出を15病院が取り下げ、そのうち13病院がハイケユニット入院医療管理料1の算定病院となった。そのため、ハイケアユニット入院料管理料の届出は取り下げとの差し引きで9病院増加した。




 なお、実績要件を満たすことが困難な病院に対しては、ハイケアユニット入院医療管理料 注5が新設されたが、全国で1病院のみ届出が確認されている(注5以前は、ハイケアユニット入院料管理料1)。


参照:特定集中治療室管理料からハイケアユニット入院医療管理料へ13病院が移行。ハイケアユニット入院医療管理料 注5は九州地区の1病院を確認




在宅医療充実体制加算は531医療機関が届出。病院は38病院が届出

 積極的に在宅医療に取組む病院を評価する在宅医療充実体制加算が新設されている。非常に高い点数である一方で、求められる要件は高い。7月1日時点では、531の医療機関の届出が確認されており、そのうち病院は38施設だった。






 新たな地域医療構想においては、外来・在宅も対象になるが、在宅医療充実体制加算を届出医療機関が地域の在宅医療の拠点のようになってくることが考えられる。また、最近比較的規模の小さいあ病院が無床化し、在宅医療を強化していくことも耳にする。新たな地域医療構想の議論とあわせて注目したい項目だ。