新たになった病棟薬剤業務実施加算1の届出は891病院。旧病棟薬剤業務実施加算1は令和8年5月1日時点で2,145病院の届出。多くは加算2を算定
令和8年7月1日時点の施設基準届出情報を整理している。主な項目については、9月1日までにまとめてご紹介する予定だが、その前に令和8年度診療報酬改定で新たになった「病棟薬剤業務実施加算1」の状況についてここでは先んじて紹介したい。
入院中のポリファーマシー対策の取組を転院先・退院先に連携することを評価する病棟薬剤業務実施加算1
令和8年度診療報酬改定では、病棟薬剤業務実施加算1が大きく見直された。点数も従来の120点/週から300点/週となった。当然ながら点数が上がるということは、求める要件も上がることになる。その要件とは、入院中のポリファーマシー対策の取組と転院先・退院先への情報連携だ。
参照:ポリファーマシー対策の始め方と進め方の普及啓発ツールが公表。薬剤総合評価調整加算等の実績向上が期待される
ポイントになるのが、入退院支援部門や病棟看護師長との連携だと言える。内服薬6朱里以上を服用している患者の情報を持参薬確認の段階からキャッチアップして、早期介入すること。また、患者の退院予定日を定期的に把握できる体制を作り、午前中の特定の時間などに集中して計画的に薬剤師が指導に回る、など薬剤部門だけではなく、他の部門との連携を活かすことが重要だ。
病棟薬剤業務実施加算1の届出は891病院
令和8年7月1日時点の届出状況を確認すると、891病院の届出があることが分かる。同年5月1日時点では2,145病院の届出があったことが分かっている。ただし、旧病棟薬剤業務実施加算1は新たになった病棟薬剤業務実施加算2に該当するため、減収になることはない。多くは加算2になったということだ。新たな病棟薬剤業務実施加算1を届出ている病院を見て感じるのは、病床規模が大きな病院にとってはやや不利に働いているようにみえるということだ。退院時薬剤情報管理指導料の算定の量を満たすことに苦労していることが考えられる。
将来的に体制を整え、加算1を算定すること目指すことになるだろうが、減収にはならなかったものの、6~7月にかけて逸失利益(得られたえあろう収入を得ることができなかった)が発生したとも言える。
先に紹介したように、新たな病棟薬剤業務実施加算1は体制整備である程度の対応は可能だ。診療報酬も高い設定となっているが、薬剤総合評価調整加算、退院時薬剤情報管理指導料の算定件数も増やすことができ、結果として薬剤師の採用・定着率向上に活かすことができる。体制整備にあたっては、情報共有ツールなどの導入・活用も効果的だ。ツールの導入を「コスト」ではなく「投資」と考えて、積極的に導入を図っていけるように院内で働きかけていくことが必要だろう。