令和8年6月24日、第22回 高齢者医薬品適正使用検討会が開催され、薬剤調整支援者によるポリファーマシー対策に関する事業・研究 報告書、ポリファーマシー対策の普及啓発資材が公表された。

 報告書は、病院・薬局での薬剤調整支援者(病院薬剤師・薬局薬剤師)によるポリファーマシー対策への取り組みを調査(病院:埼玉・香川・広島、薬局:埼玉・広島・兵庫)したもの。具体的には、令和5年度に作成された「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方(病院版業務手順書)」および「高齢者の医薬品適正使用の指針」を用いた病院でポリファーマシー対策の取り組み状況、そしてその病院からかかりつけ医及び薬局薬剤師等へ向けて「薬物療法情報提供書」を発行し、薬局でのポリファーマシー対策の取り組みにどれほど寄与するかを確認するものとなっている。






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病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方(病院版業務手順書)」および「高齢者の医薬品適正使用の指針」の実装で、薬剤総合評価調整加算等の実績は増加

 病院に対する調査結果で目を引いたのは、取り組みの結果として薬剤総合評価調整加算や薬剤調整加算等の実績が着実に増加している点だ。





 退院時薬剤情報連携加算も増加しているが、令和8年度診療報酬改定では薬剤総合調整加算と統合している。今回調査で使用されている病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方(病院版業務手順書)」と「高齢者の医薬品適正使用の指針」を院内で着実に使用していくことで算定件数の増加が期待できる。

 今回の検討会では、病院におけるポリファーマシー対策の普及啓発ツールも合わせて紹介されているが、私もいろんな病院にお伺いして感じるのは、薬剤部門だけで対応しようするのではなく、入退院支援部門における持参薬確認の段階での協力依頼や褥瘡対策チームなど院内の様々なチーム医療2協力をもらうことだと感じる。



 また、手術予定患者であればお薬手帳に服薬情報等提供料3の依頼文書を挟んでかかりつけ薬局に持参してもらい、薬局で薬剤調整と入院前に服薬情報一覧を送ってもらうことで持参薬確認の負担軽減とポリファーマシー対策介入の選別もできる。


HCナレッジ合同会社作成


 今回の調査ではポリファーマシー対策の促進要因となったこと、阻害要因となったことについても整理されている。

 診療報酬・調剤報酬での評価が後押しになっているのも重要だが、薬剤師が積極的にチーム医療に参画することや他部門とのコミュニケーションを積極的に図っていくことが重要だと感じる。だがその一方で、人員不足・時間不足が大きな課題になっている。薬剤部門におけるDXの推進などがテーマになってくるだろう。





  薬局における調査結果のまとめは以下の通り。注目したいポイントとしては、処方提案142件中75件の処方変更が実施されたこと、多職種連携では医師との関わりがほとんどであることが明らかになった。入院中のポリファーマシーの取り組みを地域でも継続していくためには、薬剤部門だけの連携ではなく、かかりつけ医の理解と協力を得ることが重要だと言える。



 調査結果と同時に普及啓発ツール(病院向け、薬局・開業医等の地域医療機関向け)も公表されている。診療報酬・調剤報酬における後押しもあることから、経営上のメリットも大きくなっている。しかし、着実に実施していくためには、薬剤部門以外の理解と協力、規模が大きな病院ほどDXの導入など効率化への投資必要になってくる。普及啓発ツールは、薬剤部門だけでなく、経営管理者層・院内のチーム医療で共有、確認していくことが必要だ。

参照:病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方

参照:地域における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方