一般社団法人が開設する医療機関、令和8年度事業分から事業報告等の届け出が必要に。非営利性を満たさないと判断された場合、業務停止命令や許認可の取り消しも
令和8年6月17日、第212回社会保障審議会医療保険部会が開催され、今国会で健康保険法等の一部を改正する法律が成立したことや、本年6月から内科など単独で標榜できる診療科名と組み合わせて標榜できる用語の1つとして 新たに「睡眠障害」を追加したことなどが報告されるとともに、今年3月に改正された医療法施行令及び医療法施行規則等による医療機関を開設する一般社団法人に対する事業報告書等の提出及び都道府県による非営利性の確認に関する5つの観点が示された。
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一般社団法人が開設する医療機関の現状
私自身、一般社団法人の理事を努めている。ただ、私が理事を務めいている一般社団法人は、地域医療連携推進法人や社会福祉連携推進法人への移行も選択の一つとした医師会、医療機関経営者、社会福祉法人経営者などによるもので、直接的に医療機関の経営をしているものではない(一般社団法人妻有地域メディカル&ケアネットワーク)。非営利団体である一般社団法人だが、事業活動を通じて利益を出してはいけないことはない。実際、私が理事を務めている一般社団法人でも事業を行っている。ただし、利益は社員に分配することは禁止されていて、事業活動に充当することのみ認められている。そうした事もあって、同じ非営利法人であるNPO法人と比べて、行政による許認可が不要ということもあり、スピーディーに、ある意味簡単に設立できる。医療法人のように毎年の事業報告等の届け出の義務も生じない。
こうした一般社団法人による医療機関の開設は近年増加傾向にある。2009年を起点とすると、2023年には251%増となっている。医療機関全体の伸び(102%)と比べての倍以上となっている。医師や診療科の偏在問題、地域医療構想の実現にも間接的に影響をあたえているといえる。ただ、職業選択の自由は日本国憲法でも保障されているものでもある。
すべての一般社団法人による医療機関に課題や問題があるというわけではないが、その事業内容や経営実態を定期的に確認する仕組みがないことから、医療機関の非営利性の観点で疑義が生じている。そこで、今年3月に医療法施行令及び医療法施行規則等が改正され、医療機関を開設する一般社団法人に対する事業報告書等の提出及び都道府県による非営利性の確認が行われることとなった。なお、ここでいいう一般社団法人についてだが、公益社団法人は除外される。
非営利性の確認のポイント
令和8年度事業分の事業報告書等から届出が義務となる。さらに、令和9年度からの新規開設及び立入検査において「非営利性の確認のポイント」を踏まえて確認することとなる。
非営利性の確認のポイントの考え方が今回示されている。大きく5つの観点で確認するものとなっている。この確認のポイントで非営利性を満たさないと判断された場合、業務改善命令・業務停止命令を行うことも可能だ(命令に従わなかった場合は、許認可の取り消しや閉鎖を命じることもできる)。
出典:厚生労働省 第212回社会保障審議会医療保険部会
出典:厚生労働省 第212回社会保障審議会医療保険部会
今後についてだが、令和8年度事業分から対象となるため、令和9年度から届け出が必要になる。そのため、今夏中に通知が発出される見通しだ。

