これまで、急性期一般入院料・地域包括医療病棟入院料といった急性期機能の推移について定期的に集計、報告をしてきている。


参照:【2026年6月レポート】令和8年3月から4月にかけて、12病院が急性期一般入院料の届出を取り下げ。地域包括医療病棟入院料は8病院の増加も2病院が届出を取り下げ


 ここでは、包括期入院(回復期リハビリテーション病棟入院料を除く)と慢性期入院の機能を有する病院の直近1年間の推移を確認し、今後の動向について考えてみたい。


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地域一般入院料、四国以外では減少の傾向

 地域一般入院料1の届出がある病院は令和7年4月1日時点で901病院であったが、令和8年4月1日時点では845病院へと減少している。割合でみると6.2%の減少となる。病床数ではなく、病院数でみているため、廃院や経営統合して減少している可能性もある。




 主な地域別の動向をみると、減少割合が最も高いのは北海道の▲10.6%(47→42)となっている。なお、北海道ではこの1年間で地域包括医療病棟入院料は3施設増加、地域包括ケア病棟入院料/入院管理料は±0施設となっている。

 次いで減少割合が高いのは、中国地方の▲9.8%(51-46)だ。そして同地方では、地域包括医療病棟入院料は4施設増加、地域包括ケア病棟入院料等は±0施設という状況だ。


 都道府県別で減少割合をみると岩手県が最も高く、▲22.7%(22→17)となっている。なお、岩手県では直近1年間で急性期一般入院料は3施設増加している。一時的に地域一般入院料に変更していた病院が復帰したのか、病床規模を縮減するなどして急性期一般入院料に移行した病院が一定数あったことなどが考えられるだろう。


 なお、群馬県・埼玉県・鳥取県・大分県・沖縄県では1病院ずつ増加している。急性一般入院料からの移行など考えられるだろう。看護師の確保などで苦戦していることも考えられる。


 近年の診療報酬のトレンドを見ているとわかるのは、救急や手術などの高度急性期入院医療は出来高評価を、パターン化しやすいDPCや短期滞在手術等及び高齢者救急については包括評価を、という流れになっている。非DPCの急性期一般入院料、地域一般入院料はいずれはなくなる可能性もある。


 令和8年度診療報酬改定では急性期病院A/Bが新設され、令和10年度からは急性期病院A/BでなければDPCにおける標準病院群Ⅰとして評価されないことになる見通しだ。また、DPC対象病院でも短期滞在手術等基本料3による算定が求められることになり、中小病院にとってはDPCからの撤退と包括期への転換を考えていくことが必要になってきている。そうなると、既存の地域一般入院料を届け出ている病院としても、急性期寄りの包括期である地域包括医療病棟入院料か、在宅等の後方支援機能を強化する地域包括ケア病棟入院料への役割の見直しを考えていくことが必要になってくると思われる。 




地域包括ケア病棟入院料等、全国的に頭打ちの状況で、宮崎県と岩手県では約9%増加

 全国ではすでに新規の届出数は頭打ちの状況にある地域包括ケア病棟入院料等を有する病院。2,667病院から2,670病院という状況だ。




 主な地域別の動向を見てみると、関東信越地方・中国地方では微減、近畿地方では6施設減、北海道・東海北陸・四国地方は現状維持という状況だが、九州地方では10病院増・東2病院増となっている。なお、地域一般入院料では、九州地方は11病院減・東北地方は6病院減となっている。


 近畿地方では6施設減少しているが、地域包括委医療病棟入院料を有する病院は12病院増加している。病床規模まではわからないが、地域包括医療病棟へ移行した病院が一定数あったと思われる。なお、九州地方では、地域包括委医療病棟入院料を有する病院は近畿地方と同じく13病院の増加で、急性期一般入院料は直近1年で38病院減少しており、近畿地方よりも減少数は10病院多くなっている。


 令和8年度診療報酬改定では地域包括委医療病棟入院料の区分と要件が見直されたところ。地域包括医療病棟における在宅復帰率の計算対象外となる地域包括ケア病棟入院等を有する病院にどういった影響があるか注視していきたい。



療養病棟入院基本料、全体で2.6%(▲74病院)の減少。北海道では5.1%(▲9病院)の減少

 療養病棟入院基本料は全体的に減少傾向(2,794→2,720、▲2.6%)にある。介護医療院等への転換など考えられる。




 主な地域別の動向をみると、減少割合が最も高いのは北海道の▲5.11%(176→167)で、次いで近畿地方の▲3.3%(412→398)となっている。件数でみると九州地方の▲15施設が大きい。


 在宅診療の進展が進むことで病床数も減少していると考えられている。また、ホスピス住宅などの影響もあるだろう。令和8年度診療報酬改定では、訪問看護や訪問診療の適正化も図られていることで環境も変わる可能性がある。レスパイト入院を含む医療的ケア児の受入れ、在宅では対応が難しく医療用麻薬等の利用が必要になる末期腎不全患者等の受入れなど、医療依存度の高い患者への対応力を高めていくこと、また外来・在宅機能にも着目して、連携元以外に自院で患者を確保していくための取組も中長期的に考えておくことが必要になるだろう。令和8年度診療報酬改定に向けた中医協の議論の中では、在宅復帰機能強化加算に関する見直しや、死亡退院が多い病院に対する指摘もあった。


参照:賃上げに向けた評価の整理、回復期リハビリテーション病棟入院料・療養病棟入院料に関する要件の見直し、嚥下調整食に対する評価の可能性など課題の明確化と整理が行われる



 在宅機能も見据えた対応が今後はポイントになる可能性があることを覚えておきたい。