骨太の方針2026に向けた春の建議の議論、生産性向上に向けた仕組み作りと新たな地域医療構想の着実な推進が柱
令和8年4月23日、財政制度等審議会 財政制度分科会が開催され、骨太の方針2026に向けた財務省からの提案となる「春の建議」策定に向けた社会保障に関する議論が行われている。昨年度は、診療報酬改定を控えていたこともあり多くの提案が盛り込まれていたが、今回はかなり「おとなしい」といえる内容だが、その記載内容についてはやや強引さも感じる。医療分野に焦点を当てて確認していこう。
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社会全体で考える人材の適正配置と医療分野における生産性向上
医療分野に就業する理工系人材が多くなっていることで、特定の業種・職種に偏りが生じていることがあげられている。このままでいけば医療系職種は増加の一途をたどることとなる。社会経済全体の発展・成長の観点から、こうした理工系人材の適正な配分について言及されている。

その一方で、医師については需給が均衡する2032年あたりをめどに、医学部の定員を削減する方向にある。薬剤師についても人口減少を見据えて、ある程度の削減がひつようであることを提案している。
そうした現状になりつつことから、看護師をはじめとするコメディカルスタッフによる多職種協働とタスク・シフト/タスク・シェアの推進を診療報酬においてより一層推進していくことを、さらに、中長期的にとなっているが医療系専門資格の統合についても言及している。
専門資格の統合と聞いて思い出すのが、医療・福祉系の資格取得にあたっての基礎教育部分を共通化して、他の資格取得の時間を短縮化し、地域包括ケアシステムに資する人材を早期に拡充していく「共通基礎課程」に関する議論。フィンランドの「ラフホイタヤ」という医療・福祉系の基礎資格がモデルと言われている。
参照:規制改革推進に関する答申案を読む① ~医療従事者のタスクシフトと「共通基礎課程制度」~
多職種協働を推進していく観点からも、職種間の相互理解を進めることと複数の領域のケアができることでさらに効率性は高まることが期待され、結果として、低いとされている医療分野の生産性向上にも寄与することが期待される。ただし、人材育成には時間がかかるもの。時間がかかることほど早く始める必要がある。
医療提供体制の適正化、急性期病床数で見てみると...
毎回のように、世界と比較して日本の病床数は多いと言われているが、今回もそうした資料が示されている。
なお、急性期病床数で日本の数値を確認してみると以下のようになる。
急性期一般入院基本料の病床数の場合:56.6万床(令和7年8月時点)
→ 人口千人あたり病床数:4.72床
DPC対象病床数の場合:47万床(令和7年6月時点)
→ 人口千人あたり病床数:3.92床
急性期病床については諸外国と比較してもだいぶその差は縮小してきていると感じる。
ただ、明らかに問題と言えるのは医師の診療密度や高額医療機器の割合だ。
地域医療構想の進展もあり、病床数の適正化は確実に進んでいる。新たな地域医療構想では、医療機関ごとの役割分担の明確化に合わせて、医師の適正配置、包括期・慢性期におけるタスク・シフト/タスク・シェアの推進と言えるだろう。 タスク・シフト/タスク・シェアを突き詰めることで、少なくなる医師の負担を軽減し、診療時間を確保することにつながり、結果として、診療密度を高めることを目指す、ということだろう。
診療所、薬局については増加基調が鈍くなりつつあるものの、ある程度の歯止めをかけ、集約化・大規模化を提案している。
令和8年度診療報酬改定では、都市部での薬局の新規開設の抑制策、外来医師過多区域の設定と診療報酬上のペナルティの設定がおこなわれたところ。とりわけ、薬局については大規模化によるかかりつけ機能の発揮を強化していくビジネスモデルに向かっていくことが期待されるところだ。
医師の診療密度の向上、適性処方の着実な推進に向けた財務省の考える体制整備作りが示されたといえる。







