令和6年度病院機能別・制度別医療費等の状況と令和6年度医科診療所の主たる診療科別の医療費等の状況が出揃った。それぞれについて、一日当たり医療費、すなわち医療機関種別/診療所の診療科別の診療単価の目安について整理した。


参照:医療費の動向調査:結果の概要 > トピックス(令和7年度)


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地域医療支援病院と紹介受診重点医療機関の病床稼働率は同水準だが、一日当たり入院医療費料/外来医療費は紹介受診重点医療機関が高い

 令和6年度の病院種別一日入院医療費と外来医療費の目安からは、令和6年度診療報酬改定の影響もあり、医療費が全般的に上がっていることが分かる。入院患者数は新型コロナ禍以前ほどではないものの、令和5年度よりも戻り基調にある。一方で、外来患者数については令和5年度をやや下回っていることもわかっている。また、医療依存度の高い患者の対応をする病院ほど医療費の上昇幅は大きくなっている。高額薬剤などの影響もあるのかもしれない。



 今回から新たに紹介受診重点医療機関の項目ができている。同じ外来減算規定の対象となる地域医療支援病院と比較してみると、入院診療単価及び外来診療単価が地域医療支援病院よりも高くなっていることに気づく。公立・公的な病院が多い地域医療支援病院と比べて、民間病院や専門領域に特化した病院が多い紹介受診重点医療機関ならではの結果のようにも見える。

 DPC対象病院の病床稼働率が上がり、入院診療単価も向上している。令和6年度診療報酬改定ではDPCの要件の厳格化が始まり、DPC退出する病院が年間で25施設ほどあった。急性期の高次化・集約化が進み、効率性が上がってきていることを感じる。令和8年度診療報酬改定ではDPCのさらなる厳格化が行われる。これからの2年間、救急搬送受入れ件数やDPC対象病床の規模が大きくない病院にとっては、このままDPC対象病院の道を突き進むのか、下り搬送と後方支援機能を強化する包括期入院の病院を選ぶのか、判断が迫られる。




医科診療所の増加ペースは鈍化

 医科診療所の診療科別医療費を見ると、小児科・内科の順に下がり幅が大きくなっていることがわかる。小児科については、一日当たり医療費は高くはならないものの、こども医療費無償化などの自治体も多くあるため受診回数が多くなり、トータルでは高くなると考えられる。内科については、特定疾患療養管理料・生活習慣病管理料の見直しなども影響している可能性がある。





 医科診療所については、増加基調が続いているものの増え方は鈍化していることが分かる。また、今回のデータからは正確に読み取れないが、新型コロナ禍以降に廃業を選択した診療所も一定数ある。増加基調の鈍化は、廃業の増加も影響していることも考えられるだろう。