がん診療提供体制と新たな地域医療構想との整合性を。そして、がん診療連携拠点病院等の指定期間は3年毎に。
令和8年4月16日、第20回がん診療提供体制のあり方に関する検討会が開催されている。今回の検討会では、都道府県におけるがん診療提供体制の均てん化・集約化に関する取組状況等調査の結果、がん診療連携拠点病院等の指定期間の見直しについて議論されている。
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改めて、「2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ」を確認する
「2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ」は、昨年夏に局長通知として発出され、新たな地域医療構想が始まる前段階から整備の方向性が示された格好となっている。その中身については、3大療法(手術療法・放射線療法・薬物療法)ごとの集約化・均てん化の方向性、国と都道府県の役割の明確化(国が都道府県に対し、データ提供等の技術的支援を行い、各地域の取組状況を把握した上で必要な支援を行う)となっている。
がん医療については、地域医療計画における5疾病6事業の一つになっているが、今後、新たな地域医療構想が医療計画の上位概念となることから、令和12年度からの第5次医療計画の始まりに合わせるようにがん診療提供体制と新たな地域医療構想の整合性を図る必要がある。
医療機関機能報告における位置づけ
都道府県における均てん化・集約化の取組状況を把握するためのアンケート調査結果に関する報告が行われている。例えば、昨年夏の局長通知前と後での都道府県協議会の運営を都道府県が担ったのかどうかや局長通知に記載のある取組方針に関する議論の状況について調査されている。
運営を都道府県に変更する方針が確実に増えていることから、局長通知の影響がよくわかる結果となった。
以下は議論の中身に関する主なもので、役割分担と診療実績の情報公開についての議論の状況。議論ははじまったばかり、という状況だ。今後については、適宜結果報告が出てくるものと思われる。
各地域における議論が進められているが、もう一つ注目したいのが、新たな地域医療構想との関連性になる。とりわけ、病院そのものの機能を明確化する医療機関機能報告において、がん診療を提供する医療機関はどの機能を主たる機能とするべきなのか。遅くとも、令和10年度までには確定しておく必要がある。そこで、基本的な考え方が整理されている。
難易度が高い手術の実施や集学的的治療を行える医療資源を多く使う病院の場合は急性期拠点機能を、がん診療に特化して専門的な診療を行う場合は専門等機能を、というのが基本的な考え方とされている。注意が必要なのは、地域の実状にあわせて最終的に判断する、ということだろう。
新たな地域医療構想の始まりを控え、がん診療提供体制の役割分担が本格的に始まるが、個人的には以下の点に着目して各地の取組をみていきたい。
・ロボット手術の集約が進むのか?それとも、遠隔手術などの対応もあるのか?
・放射性医薬品の拡充に伴い、放射線治療病室/特別措置病室を有する病院と拠点的機能を有する病院との連携の強化は進むのか?
・薬物療法、希少がんに関して、遠隔連携診療の推進の観点は盛り込まれていくのか?
・専門医療機関連携薬局、在宅薬学総合体制加算を算定する薬局との連携は検討されるのか?
がん診療連携拠点病院等の指定期間、4年毎の見直しから3年毎の見直しを検討へ
現在は4年毎にがん診療連携拠点病院等の見直しが行われている。これまでの議論では、医療計画・新たな地域医療構想にあわせるべく、6年毎の見直しとする方向となっていたが、今回の検討会では3年毎の見直しが提案されている。
令和12(2030)年以降は、各地で人口減少が加速度的に進むことが想定されている。急激な環境の変化に対応で切るようにするためにも必要な見直しともいえるが、事務的な負担軽減や行政側からの支援も合わせて検討していくことが必要になるだろう。今回の提案を受けて、がん診療提供体制に関する議論が本格化する。





