令和8年6月25日、第1回OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会が開催された。この検討会では、令和9年3月からはじまる一部保険外療養(OTC類似薬の一部保険適用除外。OTC類似薬を使う患者に対して、薬剤費の4分の1を負担してもらう)に関し、対象となる薬剤の範囲、負担を求めない範囲などについて議論を行う。予定では本年8月までに中間とりまとめを行い、秋にも社会保障審議会 医療保険部会と中央社会保険医療協議会に報告をする。






 【お知らせ】医療政策ニュース解説ブログroute"hckn"および医療政策ニュースのつぶやき医療政策ニュース解説ラジオの更新情報をBlueskyfacebookでお知らせしています。よろしければ、フォローをお願いいたします。




効能・効果の違いを踏まえて3つの類型で整理を進めることに

 厚生労働省からは、医療用医薬品のうち、OTC医薬品と成分、投与経路及び最大用量が異ならない医薬品を機械的に選定した77成分・およそ1100品目とする案が示されている。




 なお一部保険外療養は、OTC医薬品の購入を勧める趣旨の制度ではなく、医師への必要な受診をした上で、そこで処方された薬が結果的にOTC市販薬と同等の成分、投与経路、最大用量が一致する場合に、別途の負担の対象とするもの。しかしながら、医療用医薬品とOTC医薬品では、有効成分が同一であっても、制度上の位置づけを踏まえつつ効能・効果の記載の考え方が異なる場合がある。



 そのため、一部保険外療養の対象となる医薬品をさらに整理していくことが必要になる。今回の検討会では「疾患名が対応している場合」「症状等として対応している場合」「効能・効果が一致しないと整理される場合」の3類型で整理を進めていく方向となった。この中で「「効能・効果が一致しないと整理される場合」については、一部保険外療養の対象外とする(患者の自己負担は発生しない)。




自己負担を求めないケースについても検討

 これまでの議論では、以下の者については求めない方向で検討されてきている。

・こども
・がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方
・入院患者や処置等の一環で OTC 類似薬の処方が必要な方
・医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方
・低所得者

 今回の検討会では、上記の考え方を踏襲してさらに対象・非対象者を詳細に区分けする案が示されている。

 例えばがん患者の場合だが、診断名のみで一律に別途の負担を求めないというわけではなく、がん治療中であり、かつ治療に関連して対象医薬品が使用されている場合、とされている。
また、難病患者については、医療費助成の有無にかかわらず、指定難病患者を対象外にすることとし、当該難病と関係する療養について別途の負担を求めない、とするなど。





 また、入院患者の場合や、医師が対象となる医薬品を通年で服用することが医療上必要と認められる場合についても対象外とする考え方が示されている。なお、通年での服用(通年処方)については、内服薬は年間処方日数を目安とすることや外用薬は医師の継続使用指示を前提とした慢性疾患や受診頻度を勘案することとなる見通しだ。




 今回の考え方をもとに、8月まで議論を進めて中間とりまとめを行い、その後に患者団体ヒヤリングなどがおこなわれ、8月に取りまとめられる予定となっている。

 いよいよ令和9年3月からの施行に向けて着々と準備が進む。実際にどういった影響が出るかはまだわからないところだが、医療機関としては外来の受診頻度・回数が減少していくことは考えられる。また、個人的に注視しておきたいのは、中長期的になるかもしれないが、後発医薬品の安定供給への影響だ。先発医薬品メーカーの多くはOTCの製造販売も行っているが、後発医薬品メーカーでは行われていない。受診頻度が減少してくることで、そもそも処方箋が減少し、後発医薬品自体の調剤割合も減少する可能性があり、結果としてメーカーの経営に影響が及び、安定供給にまで影響が出てくるかもしれない。国が進める後発医薬品メーカーの再編・コンソーシアム(連合)は急ぐ必要があるようにも感じる。時間がかかることほど、早く取り組まなければ、もっと時間がかかってしまい、手遅れになる。