令和5年4月から原則義務化となるオンライン資格確認体制の令和5年2月5日時点の導入状況が公表された。病院・薬局は半数を上回るものの、診療所(医科・歯科)においては4割に満たない状況となっており、結果として全体では半数に届かないという現況が明らかにされている。なお、この数字はオンライン資格確認の義務化対象外となる医療機関・薬局も含めた集計。
公表されている資料を用いて、都道府県別の参加率を確認できる画面をHCナレッジ合同会社にて作成した。都道府県別・医療機関の種別に参加率が分かるようにしている。
なお、原則義務化、という表現からもわかるように例外も存在する。例外とは、「やむを得ない事情」がある医療機関・薬局のことで期限が設定された経過措置が設けられている。
そのため、猶予措置を受けるためには、令和5年3月31日までに事前の届け出が必要となる。その場合は、オンライン資格確認のポータルサイトを通じて行う。なお、郵送で対応もできることとなっており、猶予届出書に必要事項記載の上、支払基金に郵送するということになる。基本的には令和5年9月末までには導入を完了させる予定だが、訪問診療・オンライン診療等については運用開始となる令和6年4月までとなる。
すでに始まっている電子処方箋、診療情報を入力し共有・参照する電子カルテ。場所と時間に縛られない、診療を継続し、重複検査・投薬を適正化する「全国医療情報プラットフォーム」の構築は骨太方針2022にも記載された、いわば国民との約束ともいえるもの。マイナンバーカードに健康保険証機能を紐づけるマイナ保険証は全国医療情報プラットフォームにアクセスするための鍵ともいえる。医療機関での体制整備を進める一方で、これからは地域住民による参画が重要になる。今後、マイナンバーカードには令和5年度末に向けて運転免許証の機能も紐づけることを目指している。報道では、すでに運転免許証よりもマイナンバーカードの申請件数が上回ったなどともいわれている(参照:【総務省】マイナンバーカードの申請件数が免許証超え)。なお、高齢者など取得が難しい方やカードを紛失してしまった方に対しては、資格確認書を無償で発行する予定だ(参照:【独自】マイナ保険証ない人の「資格確認書」無料の方針固める 党内からも“懲罰のよう”と反発)。
とはいえ、まだマイナ保険証を利用した受診はまだ少ないのが実情だろう。私もマイナ保険証を持っているが、いつもの癖で健康保険証を出してしまっている。医療機関側からの広報が、今後のマイナンバーカード全般の取得率や利用率向上に大きく影響を与えていくのではないだろうか。