D to P、D to P with N...、これからのオンライン診療・遠隔医療の推進方針が明らかに

5/16/2023

ニュース解説 医療ICT 遠隔医療

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 令和5年5月12日に開催された社会保障審議会医療部会にて、「オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針(案)」が提示された。あくまでも方針であって、遠隔診療に関する取組等を法令上義務付けるものではなく、適切な取り組みで普及を進めていくための方針で、一昨年前の規制改革推進会議において更なる活用に向けた方針の策定が求められていたもの。今回、その方針案が示されたもので、今後表現や文言等の調整を行い、公表されることになる。

基本方針では、医師と患者によるオンライン診療と医療従事者同士の遠隔医療と分けているので、改めて言葉を理解したい。

オンライン診療とは、情報通信機器を用いた診療で、D to Dとも表現される。また、へき地での医療や専門医療の提供を踏まえた患者のそばにかかりつけ医や訪問看護師などがいて、指示を出したり専門的なアドバイスを行う診療スタイルでD to p with NやD to P with Dなどもある。巡回診療車に看護師が乗車し、患者と共にオンライン診療を受けるケースなども最近よく聞かれるようになってきたが、これもオンライン診療のケースでD to P with Nとなる。また、診断結果等をリアルタイムに伝えて受診勧奨を行うことも遠隔医療の一種となる。



ところで、オンライン診療については新型コロナの特例による初診からの実施は7月末までとなり、8月以降はオンライン診療の適切な実施に関する指針に基づく体制と新たな届出が必要になる点にご注意いただきたい。なお、指針ではかかりつけ医であることやかかりつけ医でなくとも患者の医療情報が入手出来て診療に臨むことができれば初診からもオンライン診療は可能となるが、それらに該当しない場合は、オンラインで診療前相談の上で判断して、そのままオンライン診療となるか、対面診療をお願いすることになることを改めて確認しておきたい。



一方遠隔医療とは、遠隔画像診断や病理診断などがあるが、質問医と専門医をダイレクトにつないで助言をもらうといったものがある。また、看護師同士など医療従事者間の連携もさしている。


基本方針では、医師と患者間の遠隔医療と医師と医療従事者の遠隔医療とそれぞれに分けて整理されている。国が取り組むべきこと(事例集・手引書・チェックリスト等を作成)、都道府県・市町村が取り組むべきこと(オンライン診療実施施設に関する情報発信等)なども明確にされている。

またそれぞれについて課題も明確にされている。オンライン診療では情報リテラシーと共に患者の理解(検査等行っているわけではないので限界があること)について、医療従事者の遠隔医療については質問医と専門医の責任分界点について。かかりつけ医である質問医による判断となることから、基本的には質問医側に責任を負うことになるとも考えられるが、今後の議論を注視していきたい。



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