骨太方針2021に基づき、フォーミュラリガイドラインが示される

7/12/2023

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 改めて感じたのは、骨太方針に記載される事柄の持つ意味の重さ。2年前の記載も、着実に実行される。そういえば、骨太方針2022に記載されたバイオシミラーの目標値の設定も年度をまたいだが、本年4月に提示されたところ。改めて、骨太方針については過去にさかのぼって、まだ実施されていないものの点検や今年度の内容をしっかり読み解いておきたい。


今般公表されたフォーミュラリのガイドラインだが、「地域フォーミュラリの運用について」と題されている。来年度からはじまる第四期医療費適正化計画の中で、後発医薬品の使用促進の一環としてフォーミュラリの周知が盛りこまれる見通しとなっていることや、数量ベースから金額ベースでの目標設定の見直しなどを後押しすることをイメージしてのタイミングだったのだろう(参照:数量ベースから金額ベースへ。後発医薬品の使用促進策の今後)。地域フォーミュラリ、と題したことに大きな意味があるように思う。









内容としては、これまでもいろんなところで語られてきたところだが、あくまでも「おすすめリスト」のようなもので、処方を制限するものではないこと。また、後発医薬品の他、同種同効薬が複数あものなどを対象としている。行政や保険者の関与も求めている。また、地域フォーミュラリの進め方の例として、地域の三師会(医師会・歯科医師会・薬剤師会)の連携、地域の中核病院と医師会・薬剤師会等との連携、地域医療連携推進法人の取り組み例を軽く紹介している。

原則として、有効成分の一般名での記載、薬価収載のタイミングでのフォーミュラリの更新、COIの管理など実際の運用面でのポイントも記載されている。


やはり気になるのは、来年度診療報酬改定での評価の可能性だが、まだ見えてきていない。しかし、診療報酬改定結果検証のアンケートでは、フォーミュラリについての調査は行われており、DPC対象病院での取組が多いことやホームページへの掲載などで周知していくことを誘引するかのような質問項目がある点に注目すると、DPC対象病院における保険診療係数等での評価であったり、医師の働き方改革で病棟薬剤師の貢献度が高いという結果から、病棟薬剤業務実施加算等での評価の新設は十分に考えられるように思われる。地域フォーミュラリそのものを診療報酬や調剤報酬で評価するのは難しいため、薬剤師による取り組みや、基幹病院の取組を評価する内容になるのではないだろうかと思う。もしくは、「二次性骨折予防継続管理料」のように、横のつながりをそれぞれ評価するようなものとなるのか。


参照)

病院フォーミュラリの取組の進展はみられるものの、地域への拡大にはまだ時間も

施設基準の届出状況の推移(令和2-4年)から見えてくること


前回改定で「感染対策向上加算」による地域カンファレンスの定期開催では抗菌薬の適正使用なども確認されるようになってきていることから、感染対策の連携で培った連携体制を基盤に、今後は地域支援体制加算・連携強化加算を算定する薬局との連携にまで広げながら、地域フォーミュラリを広げていくことは素地はできているようにも思われる。

ガイドラインができたことで、診療報酬にもどういった影響が出てくるのか、9月からの本格的な議論で注目したい。


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