紹介受診重点医療機関とは、医療資源を重点的に活用する外来を有する医療機関。外来機能報告の結果を基に、地域医療構想調整会議の場などを通じて、手上げて決められていくもの。現在、各都道府県で話し合いを終えたところから、その結果が公表されている(令和5年8月1日現在の状況)。
外来機能分化の推進とは、かかりつけ医機能を有する医療機関(主に200床未満の病院、診療所)が日常診療を行いながら、重症化や専門医療が必要になった場合に紹介受診重点医療機関に連携し、必要な検査・治療等が終了したら、日常診療に戻していく、その一連の流れの中で役割分担を確認していくものだ。
公表されている紹介受診重点医療機関の情報をみてみると、一般病床200床未満の病院も含まれていることがわかるだろうか。紹介・逆紹介の関係でいえば、一般病床200床以上か未満か、というのが一つの区切りとなっているため、やや違和感を感じるかもしれない。しかし、一般病床200床未満の病院の中にも、専門特化した機能を有する医療機関もある。そこで改めて注目しておきたいのが「連携強化診療情報提供料」だ。旧・診療所違法提供料Ⅲのことで、200床未満の病院や診療所、もしくはかかりつけ医機能を有する医療機関(機能強化加算、地域包括診療料、地域包括診療加算、小児かかりつけ診療料など)からの紹介を受けて継続的に診療している患者について、紹介元の医療機関に診療状況を月に1回報告することで評価されるものだ。従来の紹介・逆紹介は先の述べたように一般病床200床以上の病院が紹介先とされていたが、連携強化診療情報提供料でわかるように、200床未満の医療機関でも医療資源を重点的に活用する紹介受診重点医療機関においても、紹介・逆紹介に関するインセンテイィブも設けた、ということになり、外来機能分化の推進をの隙間を埋めようとするものだとわかる。
なお、一般病床200床以上の病院においては、この連携強化診療情報提供料の算定対象となる患者は逆紹介をしている患者と同等の扱いのようになり、逆紹介率の計算を有利にできる。
令和5年は紹介受診重点医療機関の公表もあり、医療法改正でかかりつけ医機能の明確化も行われ、外来機能分化の環境整備が行われた年となったといえるだろう。入院医療の役割分担と適正化の推進で療養の場は在宅の比重が高まり、継続した治療を受けていく上で外来医療の役割分担と適正化がこれから重要なテーマになってくる。地域医療構想は新しい次元に向けて、その環境整備が着々と行われている。