令和8年2月13日、第647回中央社会保険医療協議会 総会が開催され、令和8年度診療報酬改定の点数及び施設基準等の数値の入った個別改定項目が公表された。個人的に興味がある項目をこれから取り上げ、紹介していく。今回は、調剤報酬について確認する。


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調剤基本料は1-2点の引上げ。ベースアップ評価料が新設される。

 「患者のための薬局ビジョン」が公表されて10年経過したものの、依然とした立地に依存した経営となっていることに対する厳しい対応が示された格好となった。一方で、医療資源が少ない地域などに対する配慮もある。

 今回特に注目されるのは、医療モールの薬局だ。モール全体を一つの医療機関と見なして処方箋集中率を算出することとなるため、調剤基本料のグレードダウンと新設される門前薬局等立地依存減算の影響を大きく受けることとなりそうだ。





後発医薬品調剤体制加算を廃止の上、地域支援体制加算と統合した「地域支援・医薬品供給対応体制加算」を新設

 長期収載品の選定療養の影響もあり、後発医薬品の調剤割合は90%に達している。そこで、調剤報酬では後発医薬品に関しては使用促進目的から安定供給目的へと見直しを図り、後発医薬品調剤体制加算と地域支援体制加算を統合した「地域支援・医薬品供給対応体制加算」を新設することとなった。加算は1-5まであるが後発医薬品の規格数量割合は85%以上で統一されている。そのため、これまで後発医薬品調剤体制加算2(28点)と地域支援体制加算4(32点)を算定していた場合、▲60点となる。

 また、本加算は安定供給が目的でもある。個々の医薬品の価値や流通コストを無視した値引き交渉を慎むこと原則として全ての品目について単品単価交渉とすること。流通の効率化と安定供給の確保のため、常に適正な在庫量を維持し、卸売販売業者への頻回配送・休日夜間配送・急配に係る過度な依頼を慎むことが施設基準に盛り込まれている。









 バイオ後続品については、新たに薬局薬剤師による説明と調剤を評価する項目が新設されている。診療報酬にて、一般名処方にバイオ後続品が追加されたことが理由といえる。在宅自己注射指導については、対面診療で医師等教育指導することとなっているが、処方元と薬局でバイスの違いなどによる指導内容の齟齬も起きることが考えられる。このあたり、告示や疑義解釈などで注目をしておきたい。なお、バイオ後続品調剤体制加算ではインスリン製剤は対象外となる。





調剤管理料、27日分以下で一括りに。対人業務でカバーを。

 長期処方・リフィル処方の推進の一環もあってか、調剤管理料の区分が大きく見直されている。影響が大きく出る可能性がある。




 一方で、長期処方・リフィル処方の患者に対する服薬フォローアップや有害事象防止などの「対人業務」に関する評価を充実させているのも今回調剤報酬改定の特徴だ。一店舗当たりの薬剤師数を増やし、手厚い服薬フォローアップを着実に実行していく仕組みを作ることが今後は重要になる。今回、薬剤師による薬剤レビュー(服用薬剤調整支援料2の見直し)の評価が新たになっている点に注目したい。ただし、相当の研修を要するためか、令和9年6月からの適用となる。









在宅薬学相互体制加算の見直し、加算2では無菌製剤処理設備の基準を削除

 加算1については、実績を高めるとともに、点数自体も倍に引き上げられている。加算2については、無菌製剤処理設備の基準をなくし、届出をしやすくしている。この一連の見直しは、骨太の方針のKPIともいえる「経済財政諮問会議 経済・財政新⽣計画 進捗管理・点検・評価表 2025」の中にある「地域包括ケアシステムにおいて過去1年間に平均⽉2回以上医師等と連携して在宅業務を実施している薬局数 ⽬標値 2025 年度:40%」を達成するためといえる。2024年度時点で実績値は30.1%と大きく差がある。