弊社(HCナレッジ合同会社)で毎月集計している施設基準情報より、新たな地域医療構想・地域包括ケアシステムでもポイントとなる届出情報にフォーカスして現況等について毎月ご報告しています。今回は2026年1月時点の施設基準情報をお伝えします。


【お知らせ】医療政策ニュース解説ブログroute"hckn"および医療政策ニュースのつぶやき医療政策ニュース解説ラジオの更新情報をBlueskyでお知らせしています。よろしければ、フォローをお願いいたします。



急性期一般入院料、入院料1から3施設、入院料6から5施設減少

 令和8年度診療報酬改定の個別改定項目が明らかになり、急性期病院一般入院基本料の新設及びDPC対象病院は令和10年度診療報酬改定以降はその急性期病院一般入院基本料を原則とする方針が示され、衝撃を与えている。それは、将来的に急性期一般入院料を届出る病院において、救急搬送件数が1,000件以上に満たない病院などでは地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟への転換を促すことを意味しているともいえる。またさらに、短期滞在手術等基本料3をDPC対象病院でも算定することとなることで、中小規模病院ではDPCデータの提出件数が月間90件をクリアできなくなる可能性もあり、急速に急性期一般入院料から急性期病院一般入院料もしくは地域包括医療病棟等への移行の意思決定が迫られることになった。




 そうした中で急性期一般入院料の現状を見ると、徐々に急性期機能の集約化は進み、急性期の中でも、クリティカルな急性期と高齢者救急に類する急性期へ動きが見えつつあることが分かる。




 今回のデータは本年1月時点のもの。答申が出た3月以降の動きに注目したい。



地域包括医療病棟は7施設の増加。岩手県で1施設取下げ

 令和8年度診療報酬改定で地域包括医療病棟入院料は6区分になる。先述したように、要件が厳しくなるDPCからの退出・転換先として、今後増加することが見込まれる。現状についてみると、対前月比で7施設の増加となっているが、岩手県で1施設取下げが確認されており、実際は8施設の新設となっている。







 なお、現時点で富山県・山口県・愛媛県では地域包括医療病棟入院料の届出が確認できていない。



対象施設入所者入院加算は増加基調が続く

 令和8年度診療報酬改定では、重症度、医療・看護必要度の見直しで救急搬送件数の実績が該当患者割合の底上げに寄与することとなった。当初の議論では、対象施設入所者入院加算の実績も加味することが検討されていたが、救急搬送件数でひとくくりできると考えられ、記載は見送られることとなった。しかし、地域の介護施設等の後方支援機能のバロメーターの一つとして、新たな地域医療構想などにおいても注目されることになるだろう。

 今回は増加ペースが高めに出ているが、重症度、医療・看護必要度の議論を意識しての行動だったのかもしれない。






精神科地域包括ケア病棟入院料、現状のまま

 精神科地域包括ケア病棟入院料の廃止が決まり、新たに「精神科地域密着多機能体制加算」を新設することになった。小規模医療機関又は病床数を削減する取組を行っている医療機関が、多職種の配置等による質の高い入院医療、地域定着に係る外来医療や障害福祉サービス等の提供等を一体的に行うことを評価するもの。





 こうした傾向からわかることは、精神科急性期や専門領域以外の精神病棟については、病床削減と外来と病棟の一元化を図る取組が必要になってくる、ということ。とりわけ重要なのは精神保健福祉士だが、その人材確保は一筋縄ではいかないと聞く。メンタルヘルス関連企業との採用獲得競争になっているともいわれる。単なる病床削減だけを促す政策ではなく、必要な人材確保につながる評価体系など必要だろう。

 精神科地域包括ケア病棟入院料は現状のまま。現在届出をしている病院の動向も含め、「精神科地域密着多機能体制加算」については注視したい。





在宅療養支援診療所、神奈川県と大阪府で二桁増。愛媛県では4カ月連続の減少

 在宅療養支援診療所は全体で27施設の増加となったが、減少している都道府県もある。例えば、愛媛県では減少が4か月続いている状況だ。令和8年度診療報酬改定では、コールセンターを利用した24時間連絡体制については、事前に患家に伝えておくことや、事前に氏名を伝えていない往診医による実施については、往診日以前に当該保険医療機関で在宅医療を担当する常勤医師と事前に面談し、診療方針等の共有を行っている者に限られることとなる。都心部で多いと考えられるこうした在支診の令和8年度診療報酬改定以降の動向は地域医療体制にも影響を与えることが考えられ、気がかりでもある。新たにはじまるかかりつけ医機能報告による外来医療の協議の場などをでの話し合いを通じて、地域医療に支障が出ないような話し合いが必要になるだろう。

 在支診が増加基調が続いているが、地方都市に目を向けると、減少しているところも少なくはない。




 在宅療養支援病院については、やや頭打ち感がある。その一方で、在宅療養後方支援病院を見てみると、全体として大きく増えているわけではないが、北海道・神奈川県・千葉県で2-4か月連続で増加していることがわかる。






 在宅療養支援病院は昨年4月から45施設、在宅療養後方支援病院は20施設増加している。毎月見ていると気づかないが、振り返って集計すると数字がしっかり積みあがっていることに驚かされる。