弊社(HCナレッジ合同会社)で毎月集計している施設基準情報より、新たな地域医療構想・地域包括ケアシステムでもポイントとなる届出情報にフォーカスして現況等について毎月ご報告しています。今回は2025年12月時点の施設基準情報をお伝えします。


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急性期一般入院料の届出数、±0で現状維持

 急性期一般入院料の届出が減少したのは、群馬、神奈川、岐阜、岡山、徳島でそれぞれ1施設ずつ。その一方で新たに届出が確認できたのは、岩手、東京(+2)、佐賀、鹿児島となり、±0という結果だった。



 

 令和8年度診療報酬改定では、救急搬送受入件数等の高い実績のある急性期病院一般入院基本料が新設される。現行の急性期一般入院料からどれほどの医療機関が移行するのか注目される。




 また、この後解説する地域包括医療病棟入院料も見直され、一般病棟入院基本料を併設する場合とそうでない場合とで評価がわけられる。出来高算定ができる入院料から包括算定の病棟への移行が推進されていく中で、今後の急性期病院の経営戦略については考えを巡らせる必要がある。




地域包括医療病棟入院料、前月(2025年11月)比で3施設の増加も、3つの県で取り下げ。

 増加基調が緩やかになる一方で、愛知、奈良、兵庫で取り下げがあった。3つの県には2025年11月時点で10施設以上の地域包括医療病棟を有する病院があったことから、多職種の確保もさることながら、実績を出せる患者の確保など、競争になっていることなども考えられる。








 なお、令和8年度診療報酬改定では、地域包括医療病棟入院料は大きく見直される。一般病棟入院基本料を算定する病棟を併設しているかいないかで2つの区分が設定され、さらに、手術の有無・緊急化予定入院かによる3つの区分がさらに設けられる。




 今回の見直しでわかることは、ケアミックスではなく、機能を一つに絞り込んで生産性を高めることが期待されるということ、出来高算定から包括算定への移行を促進したいということ、この2つだといえる。また、病床削減を促して分母を小さくすることで、手厚い人員配置を実現し、診療密度の高い医療で早期退院を実現しようと考えているともいえる。まだ点数がでていないのでメリット・デメリットはわからないが、医療は制度ビジネスでもあると考えると、こうした制度・政策の流れにしっかり乗っていくことが必要だ。




協力対象施設入所者入院加算、増加基調をキープ

 重症度、医療・看護必要度の見直しで本加算の実績が重症者割合に影響してくることから、今後も増加することが考えられる。なお、新設される急性期病院A一般入院料は算定不可となり、急性期病院B一般入院料も含めて、介護保険施設からの救急搬送受入実績については、急性期病院一般入院基本料の実績からは除外される。おそらく、急性期病院一般入院料に求められる重症度、医療・看護必要度のカウントからも除外されるものと思われる。






精神科地域包括ケア病棟入院料、対前月比3施設の減少。令和8年度診療報酬改定では廃止し、精神科地域密着多機能体制加算で「にも包括」支援体制を評価へ

 減少に歯止めがかからない中、令和8年度診療報酬改定では精神科地域包括ケア病棟入院料の施設基準等を見直すことなく、廃止することとなった。





 廃止に伴い新設されるのが「精神科地域密着多機能体制加算」というもの。小規模医療機関又は病床数を削減する取組を行っている精神病床を有する医療機関が、多職種の配置等による質の高い入院医療、地域定着に係る外来医療や障害福祉サービス等の提供等を一体的に行うことを評価する。基本的な考え方としては、病床数が少なくても経営が成立するように、PSWやOTなどを手厚く配置して、日常は在宅・時々入院を実現するべく、外来と入院における患者の一元管理を実現できる体制を支援するものとなる。まだ詳細な施設基準や実績値等が明らかにされていないが、注目したい。現在、精神科地域包括ケア病棟入院料を届け出る医療機関以外からどれほどの届出が出るか、注目したい。




在宅に取組む医療機関、増加基調が続く

 全体的に在宅療養支援診療所は増加している。そうした中において、愛媛県については3か月連続で減少している。在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院も緩やかに増加基調が継続している。






 令和8年度診療報酬改定では、在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院にBCPの策定が求められることとなった。経過措置は令和9年5月末日まで。

 また、外部事業者を利用した24時間連絡体制及び往診体制を確保する場合に係る要件を追加している。ポイントとしては、コールセンターを利用している場合は、あらかじめ患者及び家族にその旨を伝えておくこと、やむを得ない事情で往診ができないために事前に氏名を伝えていない往診医による実施については、往診日以前に当該保険医療機関で在宅医療を担当する常勤医師と事前に面談し、診療方針等の共有を行っている者に限られる、こととなった。24時間往診体制をサポートする外部サービスを利用している場合、注意が必要になる。届出を取り下げる医療機関も一定数出てくる可能性も考えられるだろう。