令和8年1月23日、第644回中央社会保険医療協議会総会が開催され、令和8年度診療報酬改定の個別改定項目の内容案が公表されている。2月13日頃と思われる答申に向けて、今回の短冊の内容を基に議論を詰めながらアップデートしていくこととなる。


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 短冊の内容と議論について、これから複数回に分けて確認、解説をしていきたいと思う。今回は、D to P with D/Nの推進とオンラインによる診療・療養指導について、短冊から要点をピックアップした。なお、1月30日にアップデートされている短冊を参照している。




遠隔連携診療料(D to P with D)、対象患者の拡大と訪問・入院の場まで拡大へ

 オンライン診療を適正に推進するにあたって、主治医同席のもとで専門医のコンサルテーションを受ける遠隔連携診療料の拡大が令和8年度診療報酬改定の議論では注目を集めていた。現行の遠隔連携診療料は対象患者が指定難病とてんかんに限られており、なかなか広がりを見せなかった。そこで、今回は対象となる患者を拡大するとともに、従来の外来だけではなく、在宅や入院患者も対象にすることとなった。




 外来診療での対象拡大で注目されるのは、小児慢性特性疾病患者も対象となったところ。特定機能病院等からの逆紹介の推進の一環ともいえる。

 訪問診療では、主治医が求めた傷病を対象として同一都道府県内の医療機関であれば対応可能となっている点だろう。例えば、耳鼻咽喉科や皮膚科などの専門領域に特化した診療所とのD to P with Dも可能となる。

 入院診療においては、当該病院が標榜する診療科にない領域が対象となる。療養病床の病院や専門特化した診療領域の病院、精神科病院などに入院する慢性疾患患者などをイメージしているといえる。患者だけが顧客ではなく、同業者も顧客であるという観点をもって、連携を促進していくことが必要だろう。



D to P with N、処置や注射を算定可能に

 医療資源が限られた地域でのD to P with Nの活用の有効性が多く報告されている一方で、看護師による処置等は評価されないために、医療機関が負担をしたり、場合によっては自費診療に切り替えて処置を行うこともある。令和8年度診療報酬改定では、そうした課題を改善する見直しがおおこなれる。検査・処置・注射に関する評価だが、点数がどうなるのかがまだわからない。

 また、複数名での訪問の場合や訪問看護でオンライン診療が行われた場合でも訪問看護・指導料等の算定ができることが明確にされている。





オンライン診療の適正な推進と電子処方箋の利活用を推進

 オンライン診療及び療養指導等全般については、次の見直しが行われる。正しく推進するための環境整備が今回のテーマになっているといえる。


〇オンライン診療

・向精神薬を処方する場合には、電子処方箋管理サービスによる重複投薬等チェックを行うことを要件に追加(令和10年5月31日まで経過措置あり)


・ホームページに「オンライン診療指針」の遵守の確認をするためのチェックリストを掲示する


・遠隔電子処方箋活用加算を新設

 情報通信機器を用いた医学管理等を算定した患者に対し、電子処方箋システムにより最新の薬剤情報を確認した上で重複投薬等チェックを実施した場合であって、患者が調剤を希望する薬局と連携し、電子処方箋を発行した場合に加算する



〇外来栄養食事指導料

・外来受診と同日に外来栄養食事指導を実施する場合は必ず対面にて指導を行うことを明確化する


・情報通信機器による指導の実施に当たって、事前に対面による指導と情報通信機器による指導を組み合わせた指導計画を作成し、当該計画に基づいて指導を実施する場合に加えて、対面又は情報通信機器のいずれかによる指導計画を作成した場合も算定可能とする


・2回目以降に情報通信機器又は電話により追加的な指導を行った場合の区分を新設(指導時間は問わない)。



〇在宅療養指導料

・在宅自己注射指導管理料を算定している者と慢性心不全の患者については、2回目以降の指導に情報通信機器を用いて行う指導の評価を新設