令和5年9月6日、令和5年度 第6回 入院・外来医療等の調査・評価分科会が開催された。8月10日の議論についてで、各入院医療に関する現状と評価の方向性について議論すべく、下部組織であるDPC/PDPS等作業グループと診療情報・指標等作業グループにおける分析結果・報告を基に議論された。ここでは、急性期~回復期~慢性期の横のつながりでの栄養管理に着目してみたい。なお、DPC/PDPSについては、「DPC/PDPSに関する見直し、「規模と診療科数に応じた評価」「入院期間Ⅰの評価」「短期滞在手術等基本料」に注目」をご覧ください。
骨太方針2023には、リハビリテーション・栄養管理及び口腔機能連携を推進するとの力強い記載がある。とりわけ注目を集めているは栄養管理だろう。口から食べることで栄養補給し、栄養価を高めることでリハビリテーションの効果や闘病意欲を高めることにつながる。栄養管理はまさにその中核にあるもの。そのため、近年の診療報酬改定では栄養に関する評価が入院、外来、在宅と拡充してきているのが分かる。
人口に占める高齢者割合が高まり、急性期入院医療でも高齢患者割合が高まってくることは当然のこと。今後は、急性期の領域においても栄養管理の充実がより一層求められてくる。
例えば、前回診療報酬改定では「早期栄養介入管理加算」の対象が拡充された。その結果、届出割合が大きく増加している。ただ、届出をしたいものの、管理栄養士の採用・配置が難しく届出を断念している病院もある。
栄養管理でいえば、栄養サポートチーム加算がその代表だといえる。近年は届出が頭打ちになっていること、療養病床での届出が少ないことが指摘されている。
特に療養病床では、中心静脈栄養を長期間行っている患者がまだ多くあり、身体的拘束や感染の観点から、腸管の機能が使えるのであれば経管栄養への移行を促すような仕組みなども検討されているところ。療養病床においても栄養サポートチームが機能していることでそうした対応にも効果があると期待される。
とはいえ、療養病床はマンパワーも限られている。そこで、栄養管理委員会を親として、口腔ケア・褥瘡ケア・摂食嚥下対策を子(下部組織)とした委員会活動の合理化などを考えていくことが必要になるでのはないだろうか。実際に、病棟での多職種連携で栄養や口腔に関する連携が少ないことも指摘されている。委員会活動の合理化を進めることで、こうした問題の解消にもつながり、スタッフの負担軽減、患者情報の共有化にもつながるだろう。