令和5年9月6日、令和5年度 第6回 入院・外来医療等の調査・評価分科会が開催された。8月10日の議論についてで、各入院医療に関する現状と評価の方向性について議論すべく、下部組織であるDPC/PDPS等作業グループと診療情報・指標等作業グループにおける分析結果・報告を基に議論された。ここでは、DPCにについて、個人的に注目した3つのポイントをご紹介する。
DPCについては対象病院の規模等に応じた評価の見直しに関する点が注目されるところ。今回の一連の議論で度々話題に上がっている高齢患者の急性期入院対応にも関わってくるためだ。近年増加している200床未満病院や単科など診療科の少ない病院に対して評価の在り方を見直す方向に今後議論が向かいそうな気配がしている。
また、退出ルールについても以前議論があったことを忘れてはならない。病床機能転換等で退出をする病院も増えてくることも考えられるし、データの精度を高め、維持する目的の一定の線引きなども考えられることだろう。
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前回の診療報酬改定では、入院期間Ⅰの評価に重みを付ける内容となった。しかし、ここ数年の入院期間Ⅰの医療資源投入量をみてみると、増加している傾向にある診断群分類があることがわかる。そのため、入院期間Ⅰに対する評価にさらに重みを付ける内容の見直しが検討されていきそうだ。
同じく、前回改定で見直された短期滞在手術等基本料の在り方についても検討されていく方針だ。しかし、対象となる手術ごとに外来で実施している場合と入院で実施している場合などかなりのばらつきがあることがわかっている。従来から、患者及び家族の意向もあって入院で対応せざる得ないケースがあったり、患者の術後の状況によっては経過観察のために入院してもらうことは多々あったことだが、今後さらに早期社会復帰に向けてどういった対応策を検討していくのか注目される。
短期滞在手術等基本料の見直しについては、地域包括ケア病床における転棟割合や自宅等からの入院割合などの計算式においても今後議論されていくことにつながるもので、病床稼働率や病床機能転換にも関わってくる来年度診療報酬改定での一つのポイントだと考えられる。