電子処方箋への対応の有無で評価に差。令和7年4月からの医療DX推進体制整備加算の見直しが明らかに

1/29/2025

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  令和7年1月29日、第603回中央社会保険医療協議会 総会が開催された。今回の総会では、先日お伝えした医療機関における電子処方箋導入状況の大きな遅れを踏まえ、医療DX推進体制整備加算の本年3月末まで設定されていた電子処方箋導入の経過措置経過後の方針が明らかにされた。

参照:高額療養費の見直しで医療機関・患者として備えておきたいことと、電子処方箋に関する令和7年度の対策を確認する


 結論から言えば、医療機関(病院・診療所等)においては、電子処方箋導入の有無で評価をわけること、薬局においては電子処方箋の導入が必須となる、というものだ。また、マイナ保険証の利用率も引き上げられることとなっている。今回の内容は答申され、本年4月1日からの適用とするべく手続きが進められる。あわせて、入院時食事療養費及び特定薬剤管理指導加算3-ロの引上げ等も答申されている。

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医科・歯科では電子処方箋の有無で評価に差。調剤では電子処方箋の導入が必須に

 元々は本年度末(令和7年3月末)までの電子処方箋の導入が求められていたところだが、現状を踏まえると、本年4月以降、算定できない医療機関が続出してしまう。これでは、システムの保守管理料の支払いと維持に影響が出てしまい、全国医療情報プラットフォームの構築がさらに遅れてしまう。そこで、導入の有無で差を設けるべく、医療DX推進体制整備加算の区分を6つ(電子処方箋の体制有りが3区分、無しが3区分)としている。なお、マイナ保険証の利用状況が上昇していることもあり、利用率も同時に引き上げることとなっている。  一方で、導入が進む薬局については導入していることを必須とした従来の3区分となっている。

 なお、医科においては小児患者のマイナンバーカードの取得・保険証との紐づけができていないケースが多いことから、小児科外来診療料を算定している医療機関(6歳未満の患児が3割以上であること)においてはマイナ保険証の利用率が緩和(医療DX推進体制整備加算3・6において、利用率を15%以上ではなく12%以上とする)される。なお、点数については、電子処方箋の導入があれば引き上げとなっているが、導入されていない場合は加算3は据置だが、加算1・2は引き下げとなっている。

 今後、適用に向けて通知も随時発出されることとなるが、以下のような案が具体的に示されているので確認しておきたい。

・(医科・歯科・調剤)医薬品のマスタの設定等が適切に行われているか等安全に運用できる状態であるかについて、厚生労働省が示すチェックリストを用いた点検が完了した医療機関・薬局を「電子処方箋導入済み」として取り扱う

・(医科・歯科)令和7年4月1日以降に「電子処方箋未導入」の加算を算定する場合には 、届出直しは不要であるが、「電子処方箋導入済み」の加算を算定する場合には、同年4月1日までに新たな様式で届出直しが必要

・(調剤)令和7年3月31日時点で既に医療 DX推進体制整備加算の施設基準を届け出た保険薬局において、電子処方箋未導入の保険薬局は辞退届出が必要 

 電子処方箋導入の促進策については、今夏を目途に見直しを行う方針だ。その見直しに向けて、次のような取組が予定され、補正予算等も組まれ、支援が始まる。


 電子処方箋を含む医療DXは、医療機関・薬局の単独の取組だけでは効果は薄い。多くの医療機関・薬局が取組むことで、患者にも多くのメリットが得られ、医療費の抑制や医療従事者や審査支払機関のスタッフの負担軽減につながることを改めて理解し、前向きに考えていくようにしたい。

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