個人立医療機関も参画できる地域医療連携推進法人の新類型を検討へ

10/27/2022

ニュース解説 経営 地域医療構想 地域包括ケアシステム

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 地域医療構想を実現するための一つの手段として、全国31か所で設立されている「地域医療連携推進法人(参照:地域医療の再編を巡る話題(地域医療構想と地域医療連携推進法人))」について、春の建議と骨太方針2022にもあったように、その在り方について見直しが図られることとなっていたが、このほど、その見直しの全容が明らかにされた。

参考

2022年・春の建議を読む ~地域医療連携推進法人に包括支払の導入、地域フォーミュラリ、リフィル処方箋など~



令和4年10月26日に開催された「第9回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」の中で地域医療連携推進法人制度の見直しと題された資料によると、既存の地域医療連携推進法人とはまた異なる「新類型」の地域医療連携推進法人を設けることを検討していることが明らかになっている。

地域医療構想を実現するという目的には変わりはないものの、現行の制度の場合は、個人立の医療機関・営利目的の法人は参画できないといった問題もある。地域の課題は、主にヒト・モノに関する課題が多いことから、そのヒトとモノの融通をもっと利かせ、幅広く地域医療の課題解決に対応できるよう、重要な経営資源の一つである「カネ(出資・貸付)」については除外した新類型の設立が今回のポイントと言える。さらに、「カネ」を除外することから、外部監査は不要となる。


また、本年6月に公表された地域医療連携推進法人に対するアンケートでも多くの意見のあった事務手続き等も緩和するものとなりそうだ(参照:地域医療連携推進法人に対するアンケ―ト調査結果が公表される)。なお、営利を目的とする法人はやはり参画は不可。

地域医療連携推進法人とはあくまでも地域医療構想を実現するための手段の一つであって、医療機関経営の効率化は主たる目的ではない。地域医療構想の実現とは、主に病床の緩やかなダウンサイジングであり、切れ目のない医療・介護の連携といえる。新類型については、まだこれから詳細が詰められていくこととなりそうだが、ヒト・モノに焦点を当て、より多くの医療機関が参画できることで、地域医療・福祉の安定と地域住民の安心感にもつながることと期待される。

また、外来、入院、退院後の経過観察を一元的に地域で完結させていく横連携についても行いやすくなる。もともとはこうした横連携の評価を地域医療連携推進法人に導入しようという話があった。そうなると、地域フォーミュラリ、さらにGPOなどの推進が今後考えられてくるだろう。

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