令和5年10月5日、第9回 入院・外来医療等の調査・評価分科会が開催された。この中では、「診療情報・指標等作業グループ」による取りまとめが紹介されている。重症度、医療・看護必要度(以降、看護必要度)の見直し(参照:看護必要度の見直し方針が明らかに。急性期一般入院料1は急性期の純化を追求へ)の他、DPC改革に関する議論についてもまとめている。ここではかねてから議論されていたDPCからの退出ルールについて確認してみたい。
参考)
DPC/PDPSに関する見直し、「規模と診療科数に応じた評価」「入院期間Ⅰの評価」「短期滞在手術等基本料」に注目
今回提示された資料からは、データ数が少ない医療機関に対して退出を求めるための一か月あたりデータ数の新たな基準を設ける方向性であることが見えてきた。もともとDPCでは、対象期間の「1カ⽉当たりのデータ/病床⽐」を0.875以上にするという基準があるのだが、その基準を満たさない病院が確認されている。
公表された資料では、データ須数が少ない病院では、複雑性係数が標準病院群と比較して高くなっている「偏り」が出ている傾向にあることや診療密度が低い傾向にあることなどが分かってきた。
こうした資料から、データ数に何らかの基準を設けた線引きをすることが考えられる。地域がん診療連携拠点病院では一定の要件を満たせない場合に特例型となり一定期間内に要件を満たすことでまた復帰できるものもあるように、DPC対象病院でも同様の考え方など検討されるのではないだろうかと考えられる。
今回の資料では、他にも係数の見直しや入院期間Ⅰの精査、短期滞在手術等基本料の対象手術等に関する扱いについてもまとめられている。