雇用保険法等の一部改正へ。人材の「大」流動時代に合わせた体制と採用活動を。

5/13/2024

ニュース解説 給付金 経営 助成金 働き方改革

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 令和6年5月10日、改正雇用保険法が参院本会議で可決・成立した(参考:雇用保険対象拡大 改正雇用保険法など 参院本会議で可決・成立)。

雇用保険の適用拡大が注目を集めているが、今後予定している育休給付金の支給割合を手取りで現行の8割から10割に引き上げるための安定的な財政運営が重要なポイントだ(参考:育休給付金、手取りで10割 男性参加促進へ法改正―厚労省)。なお、今回の見直しはリ・スキリングにも重点を置いた見直しになっている点にも注目したい。就業規則の見直しや36協定などの必要性を確認しておきたい。

今回の見直しは以下の4つの柱で構成されている。ポイントを簡潔に記す。施行期日がバラバラなので注意を。


1.雇用保険の適用拡大

 令和10年10月から被保険者要件を週所定労働時間20時間以上から10時間以上に変更。


2.教育訓練やリスキリング支援の充実

 令和7年4月より、自己都合退職者が教育訓練を受けていれば失業手当を受け取れない期間を2カ月から1カ月に短縮。

令和6年10月より、教育訓練給付金の支給率を最大70%から80%に引き上げる。

令和7年10月より在職中のリ・スキリングのための無休の休暇取得をした場合には、生活支援のための新たな給付金(最長150日間、賃金の最大8割を支給する制度)を創設。


3.育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保

 公布日より、育休給付の国の負担割合を1/80から1/8に戻す。そして、労使折半している育休給付の保険料率を0.4%から0.5%で調整(当面は0.4%だが、今後の保険財政の状況によって0.5%に)できるようにする。


4.その他

 令和7年4月より、教育訓練支援給付金(失業中で、専門実践教育訓練の受講開始時に45歳未満であることなどの要件がある)の給付率(離職する直前の6か月間に支払われた賃金額をもとに算出する)を80%から60%に引き下げ、など。


人材の流動化を下支えする制度の見直しとなっている。医療機関・介護事業者においても、優秀な人材輩出を行う一方で、アルムナイ(OBやOG)との関係を継続しながら、その本人のカムバックや口コミによる人材獲得などの取組など、雇用流動時代に合わせた採用戦略を考えていくことが必要だ。

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