令和6年5月20日、第37回医療用医薬品の流通改善に関する懇談会が開催されている。今年3月に改訂された流通改善ガイドラインの検証と共に、かねてから問題視されていた「過度な薬価差」の対応策を検討するための調査内容について明らかにされている(参照:過度な薬価差の偏在是正策の必要性を。今後調査の上、クローバック制を参考に検討へ~医薬品安定供給有識者検討会~)。
具体的には、薬価総額、納入価格総額、薬価差額、乖離率の4項目を医療機関では国公立・公的・社会保険、医療法人、診療所の設置主体別と200床以上、200床未満の病院の分類で。薬局は、1店舗、2~19店舗、20~299店舗、300~499店舗、500店舗以上と店舗数別にして実態を把握する方針だ。従来の調査よりも詳細になっている。なお、現状の調査での乖離率に関するデータが公表されている。20店舗以上の薬局では薬価差の総額が大きいこと、長期収載品の乖離率の指数が上昇していることが分かる。
また、価格交渉代行者についても調査をする。代行者に対する報酬が薬価に与える影響、物流にも与える影響などを確認し、何らかの対応策など検討されることとなりそうだ。そこで、今回は調査対象となる価格交渉代行者の定義を明確にしている。
令和6年度診療報酬改定より、未妥結減算の届出においては改訂流通改善ガイドラインを踏まえた取引に係る状況の報告をするとともに、流通改善ガイドラインを踏まえた流通改善に関する取組状況について報告をすることとなっている。今回は実態の報告のみだが、今後考えられるのは、今回の懇談会の調査結果を踏まえ、地域毎(都道府県単位?)に許容可能な薬価差を明確化し、その許容可能な薬価差を超える薬価差益については、減算(クローバック?)されることなど考えられるのではないかと思われる。医療機関・薬局経営にも影響のあることなので今後も引き続き注視しておきたい。