改正障害者差別解消法、令和6年度より「合理的配慮」がすべての事業者に義務化へ。「合理的配慮」の理解と備えについて。

3/25/2024

ニュース解説 経営 地域包括ケアシステム 補助金 薬局

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 令和6年度がまもなく始まる。トリプル改定以外にも、医療機関・薬局において対応を検討しておきたいことはいくつかある。改正障害者差別解消法はその一つだ。

参照:障害者に対する”合理的配慮”をすべての事業者に義務化

障害者差別を解消するには環境整備の観点と合理的配慮の観点の2つのアプローチ方法がある。環境整備の観点としては、バリアフリーやユニバーサルデザインといった物理的対応によるもの。合理的配慮とは、障害者との対話を通じて対応可能な障害除去の対応をするというもの。合理的配慮については、公的施設においては義務化されているものの、民間事業者は努力義務になっている。その努力義務が、この4月からは義務になる。サービスを利用する方やアルバイトスタッフ(障害者を雇用している事業者は合理的配慮は義務になっている)に対して、要望に耳を傾け、どうすれば対応できるかを話し合い、対応すること、もしくは対応できない場合はその理由を説明したり代替手段を提案することが求められる。障害者との建設的な対話になっていること、障害者が対話してくれていると感じてもらえることが大事だ。

つい先日、映画館で車椅子利用者に対して映画館の従業員が不適切な対応をとったことが報道された。

参照:

車いす利用者の“映画館の対応”めぐる投稿が議論に 「SNSで向けられる声は世の中と全く違うもの」過去に批判受けた当事者と考える“会話と手助け”(Yahoo!ニュース)


私自身も数年前に在宅自己注射による治療を受けていた時のこと、当時の勤務先近くの薬局に使用済み注射針をペットボトルに入れてこそこそと持参した際に「そんな少ない量(15本くらい)で持ってきてもらうと、廃棄の手間と費用がかかるので、今後は持ってこないで欲しい」と言われたことがある。確かに少ない量かもしれないが、外出も多く、オフィスに使用済みの注射針を長期間置きっぱなしにしておくわけにもいかない、そんな理由があった。また、オフィスから注射針の入ったペットボトルを持って、多くの方が往来する通路を歩いてきているという過程もある。問題は、対話ではなく、一方的な提案になっていることだと言える。

なお報道からも分かるように、従業員個人ではなく、その企業名で報道されることとなる。従業員の対応は、事業者の責任となる。医療機関・薬局においても同様の責任が求められる。改めて、従業員に対する周知・教育の機会を確認しておきたい。

こうした改正障害者差別解消法への対応に向けた補助なども自治体によっては出ていることもあるので、J-net 21の支援情報検索等を利用して確認しておきたい。また、合理的配慮については、内閣府において事例などを集積したデータベースもあるので、積極的に利用するとともに、学びにも活かしていきたい。

参照:J-net 21 支援情報の検索

        合理的配慮サーチ

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