特定疾患療養管理料の対象から高血圧症、糖尿病、脂質異常症が除外され、6月以降は生活習慣病管理料ⅠもしくはⅡで疾病管理をしていくことになる。開業医を中心に多くは、生活習慣病管理料Ⅱを算定するのではないかと思われる。生活習慣病管理料Ⅱの場合は検査が包括されないこと、疾病ごとの点数ではないこと、さらに生活習慣病管理料Ⅰで併算定できる「糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料,慢性腎臓病透析予防指導管理料」に加えて「外来栄養食事指導料、集団栄養食事指導料、ニコチン依存症管理料、療養・就労両立支援指導料、プログラム医療機器等指導管理料、診療情報提供料Ⅰ、電子的診療情報評価料、診療情報共有料、連携強化診療情報提供料、薬剤情報提供料」も併算定が可能となっている。他の専門医療機関、歯科医療機関等との連携によるアプローチがベースの考え方にある、といえる内容だといえる。
今回の診療報酬改定は、リハビリ・栄養・口腔管理が強く推進される内容となっていることを考えると、限られた人員で運営をする医療機関では他の医療機関の協力を得ていく必要があることが今回の見直しの狙いの一つだともいえる(参照:栄養管理を軸にした連携の評価は、医療従事者・介護従事者の負担軽減という結果を生み出す)。そこで連携の在り方について、特に栄養についてみてみると、紹介受診重点医療機関等の管理栄養士との連携が真っ先に思い浮かぶ。
先日の疑義解釈資料にもあったように、診療所の医師が連携する病院の管理栄養士に指示を出して、当該病院で栄養指導を実施してもらうことで診療所では外来栄養食事指導料2の算定が可能となる(参照:疑義解釈(その1)が公表。同一医療機関内で生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)を算定する患者がいても差し支えない、遠隔ICUの支援側医療機関の医師は宿日直を行う医師でも構わないなど)。なお、後日当該医療機関は指示を出した診療所に外来栄養食事指導料2の一部を請求する。また、病状が悪化した患者を紹介受診重点医療機関等の医師に紹介をして一定期間診療を継続してもらうことで、診療所は診療情報提供料Ⅰが、紹介を受けた医療機関は紹介元からの要請に応じて月に1回紹介元の医療機関に情報提供することで連携強化診療情報提供料が算定できると共に、逆紹介率の計算式において逆紹介した患者としてカウントされるというメリットがある。
例えば、高血圧症患者であればBNP・NT-Pro BNPなど検査に関する連携などで、心不全の早期発見・介入のきっかけをつくり、逆紹介後は特定疾患量療養管理料にて疾病管理を行っていくなどの連携も考えられる。
先の疑義解釈資料にもあったが、一つの医療機関内で生活習慣病管理料ⅠとⅡの患者が混在するケースはありうることが分かっている(参照:疑義解釈(その1)が公表。同一医療機関内で生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)を算定する患者がいても差し支えない、遠隔ICUの支援側医療機関の医師は宿日直を行う医師でも構わないなど)。いずれにも共通するのは療養計画書の作成と署名をもらうことなので、患者の闘病意欲を引き出しながら、患者ベースで妥当な管理料を選んでいく視点と医師本人の時間を効率的に使っていく視点が必要だ。