改めて読み返し、基本姿勢に立ち返るための「患者のための薬局ビジョン」

3/23/2022

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 2035年、全ての薬局は地域へ。そして、2025年にはすべての薬局はかかりつけに。

2015年に公表された「患者のための薬局ビジョン(以降、薬局ビジョン)」には上記のような記載があります。


薬局ビジョンが公表されて以降、調剤報酬改定ではかかりつけ薬剤師の評価やかかりつけ薬局を意味する地域支援体制加算の新設、さらに薬機法改正を通じての認定薬局制度の導入と服薬フォローの義務化と、まずは「2025年にはすべての薬局はかかりつけに」という中間ゴールを達成すべく取組が進んでいます。

奇しくも2020~2021年にかけてはCOVID-19感染拡大の影響で、受診控えが続き、オンライン診療や在宅医療が広く普及しましたが、もともとそれは2035年の社会をイメージした在り方を前倒して実現してきたように思います。医療機関だけが診療の場ではなく、患者の自宅や施設も診療の場となり、薬局も受診する医療機関の近くではなく、受診診療を受ける自宅や施設の近くである方が合理的といえ、患者の生活に接近するべく身近な存在となれるように対人業務、かかりつけ機能が求められる、ということが薬局のビジョンのねらいといえます。令和4年度診療報酬・調剤報酬改定では、対人業務のさらなる推進もさることながら、リフィル処方箋の導入にまで踏み切って、超地域接近が求められるようにも感じます。

処方する医師は患者と直接対面する機会が減ることを考え、医薬品を受けとる薬局との連携がより重要になります。また、受診回数が減るということは、医療機関及び門前薬局から患者の足が遠のくことを意味しますので、医療機関と薬局の連携では距離の溝をうめるためにICTを活用すること、そしてオンライン資格確認の利活用が重要になると思われます。今回の診療報酬・調剤報酬改定はそのあたりが十分意識されているように感じます。機会を改めて解説記事を作りたいと思っています。

ところで、実は薬局ビジョンが公表されて以降、意図的なのかわかりませんが「調剤薬局」という表現が減り「薬局」と表現されることが増えていることに気付いていますでしょうか?「調剤」とは処方せんに基づき医薬品をそろえて交付する対物業務、「薬局」とは薬剤師のいる場であり医薬品に関する情報を提供し、時には相談にも乗る場だといえ、対人業務を表すものともいえます。こうした表現の違いからも、薬局及び薬剤師に何を期待しているのか、読み取ることができます。重要なことは、制度が変わったから制度に合わせなければいけない、そのことよりも、なぜ新しい制度ができたのかその背景を知り、患者の日常に超接近していくことのように思います。


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