令和6年1月12日、厚生労働省で第578回 中医協総会が開催され、これまでの整理(いわゆる短冊の目次・概要案)が公表されている。公表された資料を基に、これまで私の主観でまとめてきたポイント整理をアップデートした。なお、今回公表された資料で個人的に今後の動向で注視しておきたい個所を以下に列挙する。特に、地域包括ケア病棟入院料に逓減制を取り入れること、時間外対応加算で外部サービスの利用と思われるものを評価する可能性、BSへの置換を入院医療で評価することなど注目しておきたい。
「近年の情報化社会の進展に伴うサービスの多様化に対応する観点から、時間外対応加算について、時間外の電話対応等の多様な在り方を考慮した評価体系に見直す。」
「適切な在宅復帰支援を推進する観点から、地域包括ケア病棟入院料の評価について、入院期間に応じた評価体系に見直すとともに、地域包括ケア病棟を有する医療機関が提供する在宅医療等の実績を適切に評価する観点から、訪問看護に係る実績の基準を見直す。」
「適切な栄養管理を推進する観点から、中心静脈栄養の評価を見直す。」
「中心静脈栄養が実施される患者割合が増えている実態を踏まえ、療養病棟における適切な経腸栄養の管理の実施について、新たな評価を行う。」
「生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進する観点から、生活習慣病管理料について要件及び評価を見直すとともに、特定疾患療養管理料について対象患者を見直す。」
「訪問栄養食事指導の推進を図る観点から、在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院について要件を見直す。」
「回復期リハビリテーション病棟における運動器疾患に対してリハビリテーションを行っている患者については、1日6単位を超えた実施単位数の増加に伴うADL の明らかな改善が見られなかったことを踏まえ、運動器リハビリテーション料に係る算定単位数の上限が緩和される対象患者を見直す。」
「バイオ後続品に係る患者への適切な情報提供を推進する観点から、入院医療においてバイオ後続品の有効性や安全性について十分な説明を行い、バイオ医薬品ごとの特性を踏まえた使用数量割合の基準を満たす医療機関について新たな評価を行うとともに、バイオ後続品導入初期加算について対象患者を拡大する。」
在宅医療や介護施設・障害支援施設との連携においては、地域医療情報連携NWへの参加を前提とした往診や終末期対応を高く評価するものが目立っている。地域でグループウェアを活用するということだろうが、個人情報の管理などに注意が必要になってくる点に注意しておきたい。