令和5年12月28日、厚生労働省より「『電子処方箋管理サービスの運用について』の改正について 」と題された通知が発出された。文字通り電子処方箋に関するものだが、リフィル処方箋への対応が完了し運用を開始することなどを伝えるものだ。
資料の11ページ目からリフィル処方箋に関する記載があるが、医療機関側からの発行、薬局側での受付対応については概ね電子処方箋による対応と同様(薬局では、次回来局予定日を記載・電子署名することや最終の来局後に調剤済み電子処方箋として保管などが必要)の対応となる。なお、すでに厚生労働省による「電子処方箋に関する周知・案内等素材について」のページには患者向けに電子処方箋でのリフィル処方箋の活用に関する資材も掲載されている。「電子処方せん 対応」で検索をすると電子処方箋対応施設が確認できる「電子処方せん対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」のページに行くことができるが、現時点(令和6年1月7日時点)では、電子処方箋対応施設は確認できるが、リフィル処方箋への対応施設まではまだ確認できない。今後、電子処方箋でリフィル処方箋に対応できる施設は本ページで公表される見通しだ(参照:電子処方箋のリフィル処方箋機能に対応できる医療機関・薬局を患者にわかる形で公表へ)。
その他、電子処方箋管理サービスでは以下の機能が新たに追加されている。
・口頭同意による重複投薬等チェック結果の閲覧
・マイナンバーカードを活用した電子署名(電子署名の申請がマイナポータルで開始)
・処方内容(控え)の項目追加
・処方箋、調剤結果ID検索
・処方箋状況確認の機能追加
・重複投薬等チェックの剤形コード追加
・調剤結果登録(一括)エラー時の返却
なお、電子処方箋管理サービスの運用では、「地域医療情報連携NW」との連携や「電子版お薬手帳」との連携などについても記載がある。令和6年度診療報酬改定・調剤報酬改定でもキーワードとして登場している。
参考)
施設入居時等総合医学管理料の算定割合が高い医療機関や同一法人が有する建物への訪問看護に対する適正化、地域医療情報連携NWの活用の評価を。
令和6年度診療報酬改定に向けた本格的議論が始まる~医療DXの推進、そして診療報酬改定施行時期をどうする?~
電子処方箋に対する評価が検討されていること、またただ導入するということではなく、重複投薬防止や副作用への早い気づきと受診勧奨などにどのように活かしていくか、という視点が大切であり、評価のポイントになるのではないかと推測する。