病床機能報告は維持しながら、新たに医療機関機能報告を求める方針~新しい地域医療構想の検討がはじまる~

9/08/2024

外来診療 急性期 経営 在宅医療 地域医療構想 地域包括ケアシステム 入院医療 慢性期

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 令和6年9月6日、厚生労働省において新たな地域医療構想等に関する検討会が開催された。現行の地域医療構想が令和7年度の必要病床数を目標としており、間もなく終わりを迎える。そこで、現行の第8期医療計画の中間見直し後の始まりの年になる令和9年度から新たな地域医療構想を開始するための検討会だ(参照:next地域医療構想の焦点を探る)。今後の予定としては、年内に取りまとめを行い、令和7年度中に新たな地域医療構想の策定のためのガイドラインを策定し、各都道府県においてガイドラインを基に令和8年度中に地域医療構想を策定、令和9年度からの取組開始、という予定だ。


地域での連携・役割分担を明確にするための医療機関機能を新たに設定へ

以前紹介した新たな地域医療構想の方向性(案)では、「今後の連携・再編・集約化をイメージできる医療機関機能に着目した医療提供体制の構築」という方針が明らかにされている(参照:next地域医療構想の焦点を探る)。


地域包括ケア病棟の位置づけもさることながら、令和6年度診療報酬改定で新設された地域包括医療病棟についても判断が分かれるところ。また、病床機能に着目されたため、病院そのものの役割・特徴が周囲に伝わりにくかった。また、医療計画における基準病床数と地域医療構想で目標とする必要病床数との関係もややわかりにくかった。結果として、紹介逆紹介などを含む地域医療連携の推進に影響もあった。next地域医療構想は、入院機能だけではなく、外来・在宅・介護も包括した考え方になるため、連携の視点、すなわち、わかりやすさがが必要になる。そこで、病床機能報告は従来通り残しながら、新たに医療機関そのもの機能に関する報告を求める方針だ。


そこで厚生労働省からは、6つの医療機関機能のイメージが示された。人口に占める高齢者の割合が高まる時代に合わせ、急性期の在り方も見直し、在宅への対応なども踏まえたものとなっている。


医療機関の機能に求められるのが上段で、下段は他の医療機関を支援する機能、医療計画でいうところの6事業(新興感染症対策、救急医療、災害医療、小児医療、周産期医療、へき地医療など)を想起させるようなものとなっている。私の個人的な観点で、新しい医療機関機能と従来の病床機能報告と診療報酬項目を関連づけて整理してみた。なお、外来・在宅も含めた地域医療構想となるので、主に診療所によるかかりつけ医機能についても追加している。実際の医療機関機能については、国が大きく緩やかな方針を決め、都道府県で地域の実状にあわせやすいように地域の医療機関機能を自由度が高く整理できるようにすることとなる予定だ。


気になるのは、慢性期(療養病棟)の在り方。必ずと言ってよいほどに在宅医療への対応が求められることを考えると、地域包括ケア病床の導入や在宅医療への対応などが今後必要になりそうだ。そうした在宅への対応が難しい場合は、介護医療院やかかりつけ医機能のある有床診療所などへの転換なども視野に入れておく必要がありそうだ。

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