令和6年11月13日、第598回中央社会保険医療協議会 総会が開催された。注目を集める早期アルツハイマー病治療薬「ケサンラ」の薬価収載など社会的に話題を集めるものとなった。ダイジェストでポイントを紹介する。
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ケサンラを薬価収載。皆保険の持続可能性とイノベーションの推進を踏まえた検討の方針を明示
近年の医療費の動向でたびたび指摘を受ける高額薬剤。特に認知症治療薬については、様々な指摘があるのは確かだ。私は適正な薬価を導き出すためのデータ収集などを業務で行うことがあるのだが、今後意識してお金いといけないのは、患者本人だけではなく、家族や介護者の負担の軽減にどれだけの効果があるか、ということだ。今回の薬価を高いと感じるか、妥当と感じるか、医療従事者と介護従事者で見方も異なってくるだろう。患者本人の労働生産性だけに着目するのではなく、看護師や介護者の労働生産性にも着目していきたい。
DPC・五号告示(高額薬剤判定)の対応。令和6年度からは手術・処置等2で包括評価も。
薬価収載に合わせ、今回の中医協ではDPC・五号告示も見直されて、新薬の追加、適応追加となった医薬品が追加されている。キトルーダ(肺の悪性腫瘍)やビンゼレックス(膿皮症,ざ瘡・皮膚の障害(その他))などが適応追加によるもの。
なお、改めての確認だが令和6年度診療報酬改定より包括評価については、手術・処置等2において包括評価となるものがあるので改めて確認をしておきたい。
参照:DPC対象病院(N=1,786)の約半数(46.4%)が200床未満病院。合わせて注目したい、「手術・処置等2」の見直し
マイナ保険証による資格確認方法について即日答申される
12月2日以降、紙・カード型の健康保険証の新規発行が終了となる。今回の中医協では、資格確認方法について、厚生労働大臣が定める「患者の提示する個人番号カード及び資格情報通知書」・「患者の提示する個人番号カード及び当該被保険者の保険資格に係る情報を表示したマイナポータル画面(保存したPDFを含む)」・「患者の提示する個人番号カードの利用者証明用電子証明書の有効期間が満了してから3カ月以内の場合、当該証明書に記録された情報を活用して当該被保険者の保険資格を確認する方法」という3つ方法となる。
なお、健康保険証の新規発行に伴い、限度額適用認定証の新規発行も終了となる(12月1日までに発行されているものは令和7年7月31日まで利用可能)ことに注意したい。