令和6年11月22日、臨時閣議で新たな経済対策が閣議決定された。12月上旬に補正予算案を国会に提出し、年内成立を目指すことになる。
参照:【詳しく】政府 新たな経済対策を決定 事業規模39兆円程度
経済対策は3つの柱でできている。賃上げ環境の整備で経済成長、物価高対策、自然災害や防災に対する対策で安心間を醸成する、というもの。ここでは医療分野のポイントに絞って確認してみる。
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病床適正化への支援や医療資源が限られた地域などでの事業承継・開業に支援
第1の柱にある地域創生2.0にて医療分野については記載がある。その内容は、地域医療構想を着実に進めること、医師偏在対策の支援など。個人的に注目したのは、「今後の人口動態等により、将来の医療機関の維持が困難な地域において、診療所を承継又は開業する場合に、当該診療所の施設整備等を支援する」という一文。医療資源が限られた地域においては、病床削減を進めることとなるが、住民の健康を守っていくには外来医療の維持・継続が必要だ。今回の経済対策での注目点の一つだ。こうした医療資源が限られた地域に対するオンライン診療及び巡回診療車の環境整備や、訪問看護ステーションへの薬剤の配置の検討なども盛り込まれている。
もう一つ、注目したいポイントとして「プレコンセプションケアの推進」が盛り込まれていることをあげたい。性や妊娠に関する正しい知識を持ってカップルがお互いに健康管理に臨むもので、将来の妊娠・出産についても考えていくこと。ライフデザインはそれぞれが自由に描くものだが、プレコンセプションケアを通じて、妊娠・出産についても考え、向き合ってもらえるきっかけを作ることになる。東京都など自治体でも最近取組が目立つようになってきた(参照:プレコンセプションケアに係る取組)。フェムテック(Femtech。女性の健康課題をテクノロジーで解決する)のサービスとしても最近注目を集めている(例:Smart Nurse)。妊娠・出産が目的というわけではないが、正しい知識と過ごし方を知ってもらうことは重要だ。
物価高対策について
なかなか収まりを見せない物価高だが、これから冬の時期を迎えるにあたっては、光熱水費がかなり懸念されている。また、国としては物価高を上回る賃上げ支援もうたっている点に注目しておこう。