令和7年4月19.20日、鹿児島県鹿児島市にて開催される「第11回 日本褥瘡学会 在宅ケア推進協会 学術総会」に協賛させていただくことに合わせ、鹿児島県内における在宅療養に関するかかりつけ医・薬局機能について、令和7年1月1日時点の施設基準情報を基に可視化した。なお、鹿児島は私の故郷(日置市)ということもあり、地域医療に間接的に貢献できればと思う。

 今回の可視化については、本年4月より施行される「かかりつけ医機能報告制度」における2号機能を意識したものとなっている。


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改めてかかりつけ医機能報告について

 まず確認しておきたいのは、かかりつけ医機能報告は義務ではなく、報告しないことによる罰則規定は無い。しかしながら、考えられるのは次回診療報酬改定において、地域包括診療料・地域包括診療加算、時間外対応加算、生活習慣病管理料等外来機能に関する項目において、かかりつけ医機能報告をすることが要件に盛り込まれるのではないかと思われる。故に、報告することを前提に考えておく必要がある。診療報酬と紐づけて考えてみると、以下の図になる。もちろん、紹介・逆紹介の実績なども必要だ。


 報告にあたっては、まずは1号機能からとなるが、こちらは継続的な診療が必要で発生頻度が高い診療を行うことができることを求めるもの。具体的な診療の対応の有無などの報告が必要となるが、眼科領域や皮膚科、婦人科領域等も含まれており、ほとんどの医療機関が対応できるものと考えられる。



 2号機能は、1号機能がある医療機関が、その医療機関が持つ地域医療への貢献(時間外対応、連携、在宅医療など)の具体的な中身を報告するもの。今回のかかりつけ医機能報告は、この2号機能をベースに、協議の場を地域で開催し、地域医療における役割分担などの医療提供体制を作っていくことが主たる狙いだといえる。現時点では、あくまでも機能に着目しているが、今後は診療科や総量などについても検討されていくことが考えられる。


かかりつけ医機能報告の内容を踏まえての可視化

 在宅療養に関するかかりつけ機能として、2号機能に関連する項目の有無で医療機関を、他に連携する薬局を探すためにかかりつけ機能のある薬局を、在宅における創傷ケア(褥瘡、ストーマ等)を強化している訪問看護ステーションを施設基準情報からピックアップした。

 鹿児島県は地域包括診療料・地域包括診療加算の届出が比較的多く、NDBでも算定実績は平均値よりも高い。離島があることなどもその要因の一つかと思うが、算定実績としては鹿児島医療圏が多い。

 かかりつけ医機能報告後に行われる協議の場を経て、地域におけるかかりつけ医機能の様々なパターンが登場することも想定されている。

 かかりつけ医機能とは、医師個人を指して言っているのではなく、継続診療が必要な患者を診ることができる医師がいる医療機関が、地域においてどういった役割を担っているかを明確にするもの。報告は義務ではないし、罰則もない。しかし、次回診療報酬改定では報告を要件する項目が出てくることも考えられること、地域連携の輪に加わることの意思表示となることを意識して報告に参加していくことが望ましいと考える。